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【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

12月の読書記録

今日はかなり寒い一日になりましたね。

 

 

最近読んだ本をご紹介します。

 

仮病の見抜きかた

 

 

仮病に見える方の受診に至るエピソートを通じ

疾患の裏にある患者さんの置かれた背景まで言及して

推理小説のように診断を進めていく様子が描かれています。

 

難しい症例の診断をするだけでなく

患者さんにとって最善の方法を模索していて

病気だけではなく人をよく診ている國松先生の

暖かいまなざしを感じます。

 

特に顔面に火傷を負った女性患者さんが

てんかん発作を繰り返していて

その原因を知るため患者さんだけでなく

ご家族からも時間をかけて充分に話を聞くことで

次第に発作が治まっていく様子を読み、

自分も患者さんの心に寄り添った診療を

心がけていきたいと思いました。

 

 

雑学キング 耳 鼻 のど

 

 

耳鼻科関連の病気についての

ちょっとした小話が載っています。

 

飲酒の際にすぐに顔が赤くなる人は、

咽頭癌や食道癌になりやすい傾向にあります。

 

飲酒により体内に入ったアルコールは

胃や小腸から吸収されて肝臓内の

アルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドへと分解されます。

 

 

欧米人はアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)

の活性が強く、

日本人の大半では活性の弱い低活性型のALDH2で、

約5%は不活性型のALDH2です。

 

低活性型のALDH2は活性型の酵素活性の

1/16しかないため、

有害なアセトアルデヒドをすぐには分解できず、

少量のアルコールでも血中アセトアルデヒド濃度は

活性型の約6倍となります。

 

そのため急性アルコール中毒  になりやすく、

飲酒によりすぐに顔が赤くなる「フラッシャー」

と呼ばれる人の食道癌発生リスクは

少量の飲酒で健常人の約9倍、

毎日3合以上飲酒した場合には

93倍以上になると言われています。

 

フラッシャーでも長年飲んでいると

不快にならずに飲酒できるようになるため

これらの人々にとって過度の飲酒は

食道癌や咽頭癌の重要なリスク因子となってしまうことに

気をつける必要があります。

 

 

NHKの正体

 

 

NHKスペシャルのシリーズ「JAPANデビュー」

第一回放送の「アジアの一等国」

戦時中の台湾統治時代についての内容で、

1910年にロンドンでの日英博覧会で

当時の日本政府が台湾の原住民であるパイワン民族

人間動物園と称して見世物として展示したとの放送でした。

 

しかしパイワン族は伝統舞踏や模擬戦闘を披露したのであり、

日本の伝統である相撲や舞踊、歌舞伎などを

海外で公演するのと同じことを行った事実を

歪曲して放送したと思われます。

 

他にも台湾の発展に尽力した後藤新平

圧制者として描いたり、日本を必要以上に

貶める非常に偏った放送内容でした。

 

 

この放送で民族の誇りを傷つけられたとして

台湾の原住民による集団訴訟が起こされました。

 

一審では原告が敗訴、二審では被告であるNHKが敗訴となり

最高裁ではNHKの勝訴という結果となりました。

 

これまでにNHKは不祥事も多く、

放送内容も偏っていたり

組織的な問題を抱えていると思われます。

 

立花孝志さんの政党

NHKから国民を守る党)

も話題になっていることもあり

改めてNHKの事を考える

きっかけになりました。

 

 

 

バッタを倒しにアフリカへ

 

 

バッタの研究者だった前野さんは、

幼い頃からの昆虫好きが高じて

アフリカのモーリタニアへ

サバクトビバッタの生態を調べに旅立ちます。

 

野生のサバクトビバッタの生態観察は、

約40年ぶりになるとのことで、

サバクトビバッタの食欲や飛翔、

群れの動きを予測するための様々な研究を重ねた結果

現地での活動が認められ、

モーリタニアの高貴なミドルネーム

「ウルド(〇〇の子孫)」を

現地の上司から授かりました。

 

 

この本ではサバクトビバッタの生態に加え

前野さんの研究上での苦労話やエピソードが満載で

無収入の立場から自分を見つめ直して多くの苦労の末に

見事に研究ポストを確保する過程が面白く、

大変楽しく読めました。

 

 

夢をあきらめないで真摯に努力して

ひたすら前向きに進むと、人生にはいい事があるんですね。

 

今後も面白い本をご紹介していきたいと思います。