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【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

アナフィラキシーショックとは

10月となり、穏やかな日々が増えましたね。

 

 

アナフィラキシーショックとは

薬の内服や蜂に刺された際など

アレルゲンが体内に入り

全身のアレルギー症状が現れ

血圧の低下や意識状態の悪化

などが出現した状態を言います。

 

 

アナフィラキシーショックが生じた際には、

全身の蕁麻疹が出現したり

喉頭の粘膜が腫れて

空気の通りが悪くなることから

咳や呼吸困難、吐き気や嘔吐、

下痢、腹痛、血圧・意識状態の低下

などが起こります。

 

 

また一度アナフィラキシーショック

を起こしたことがある方は、

再度同じ原因物質に曝露されると

同じように非常に重い症状を起こします。

 

 

抗生剤や解熱剤などの薬物や

蜂毒は直接体内に入るため、

短時間に症状が出る傾向があります。

 

これに対し食べ物は

胃や腸で消化され

吸収されるまでに時間がかかり、

薬物などに比べて症状が出る時期が

遅くなることがほとんどです。

 

アレルゲンとして日本では

鶏卵、乳製品、ソバ、小麦、

ピーナッツ類が多く

欧米ではピーナッツ、ナッツ類が

多く報告されています。

 

 

学校給食で卵のアレルギーがある子供に

間違って卵を使った食材が提供されて

救急搬送される事例も起こっています。

 

 

 

日本でアナフィラキシーの

既往を有する児童の割合は、

小学生0.6% 中学生0.4%

高校生0.3%です。

 

食物アレルギーによる

アナフィラキシーショックで死亡する確率は

10万人当たり1.35~2.71人で

0-19歳では 3.25人となっています。

 

アナフィラキシーが原因で

心停止に至った例の、

心停止までの平均時間は、

薬物で5分、蜂毒が15分、食物では30分

といわれます

 

 

治療はアドレナリンの筋肉注射や

酸素投与、気管支吸入薬、

ヒスタミンH1受容体拮抗薬

(抗ヒスタミン薬)や

副腎皮質ステロイド薬

などの投与を行います。

 

 

父が開業医だった頃に

自分がお世話になっていた

小学校の先生が患者さんで受診され

治療中にアナフィラキシーショックになり

対処を手伝ったことがありました。

 

当時はまだ小学生でしたが

今も鮮明な記憶が残っています。

 

その先生はすぐに回復されましたが

アナフィラキシーショックを見た

まわりの人は初めての経験だと

相当焦ってしまうと思われます。

 

 

 

厚生労働省は

新型コロナウイルスワクチンの接種後に

アナフィラキシーの症例が、

7月25日までに米ファイザー製で360件、

米モデルナ製で8件が報告されたと

明らかにしました。

 

アナフィラキシーの頻度は、

100万回当たりでファイザー製は5件、

モデルナ製は2件でした。

 

接種後の死亡例の報告は、

7月21日から30日までに

ファイザー製で168人、

モデルナ製で2人でした。

 

接種との因果関係は85人が分析中で、

残りは情報不足などで

評価できないとされました。

 

 

アナフィラキシーショックに対しては

迅速な処置が必要なので

普段から落ち着いて対処できるよう

知識を蓄えておくことが大切だと思います。