今週末はあいにくの雨になりましたね。
22日の金曜日は
世田谷区目黒区耳鼻咽喉科医会の学術講演会に参加しました。
場所は渋谷のセルリアンタワー東急ホテル
最初の講演は、「好酸球性副鼻腔炎の今昔物語」
講師は石戸谷耳鼻咽喉科院長 石戸谷 淳一 先生です。
好酸球性副鼻腔炎は鼻茸を伴う重症副鼻腔炎で
気管支喘息を合併することの多い難治性疾患です。
海外の定義と比べて細かな違いがあるため
日本の診断基準の見直しが必要とのことでした。
以前の地域連携会でも
インターロイキン5に対する抗体の効果についての
報告がありましたが
手術治療後の鼻茸再発率も高いため
今後のさらなる研究が必要と思われます。
次の講演は
「日大板橋病院での耳管開放症の臨床」
講師は日大板橋病院耳鼻咽喉科教授 大島 猛史 先生
耳と鼻をつなぐ耳管は通常は閉じていますが
耳管が開いたままの状態となるのが
耳管開放症です。
30-40代の女性に多く
男性では20-30代と高齢者に多く見られます。
ダイエットなど急激な体重減少が
発症のきっかけになることがあります。
耳の閉塞感や、自分の声が響く
呼吸の音が響くといった症状があり
前屈みにあると症状が軽くなります。
保存的治療としては生理食塩水の点鼻があります。
耳管咽頭口経由で垂直方向になった耳管内へ
生理食塩水が流れ込むようにするもので、
頭部を水平かやや後方に倒した位置にし、
さらに患側に頭部を約45度以上回旋した位置で、
生理食塩水を患側鼻内へ滴下する方法です。
また耳管周囲の組織に薬物を注入して
耳管入り口を膨隆させる方法などがあります。
手術治療は鼓膜から耳管の中にピン状の人工物を入れて
耳管を物理的にふさぐ方法があります。
耳管開放症の中には
鼻すすり型耳管開放症と呼ばれる病態があります。
講演では他の耳管機能障害との鑑別や
難聴が起こるメカニズムについての解説もあり
大変役立ちました。
今後の外来診療に役立つ知識が増えて
充実した時間でした。
これからも積極的に勉強会に参加したいと思います。