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【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

病診連携会に参加しました

今日は晴れて気温も上がり、だいぶ春らしくなりましたね。

 

 

昨日は順天堂大学病院の病診連携会に出席しました。

 

 

場所は東京ドームホテルです。

 

 

最初の講演は

千代田区医師会 宮入 誠先生の

「ACE阻害薬 スーパーレビューフォーラムへの取り組み」

 

 

降圧剤の効果について

臨床の先生方の率直な意見を交換する

本音の討論の場を作ろうという取り組みです。

 

 

発売から時間が経って

薬価が下がり製薬メーカーが宣伝をしなくなっても

非常に効果が高い薬剤が存在します。

 

それらを広く告知することで

患者さんの不利益が少しでも減るよう

情報を発信したいという先生の試みは

とても共感できました。

 

 

次の講演は

「睡眠時無呼吸 ー診療の実際ー」

順天堂大学 心血管睡眠呼吸医学講座 准教授

葛西 隆敏先生

 

 

夜間のいびきや日中の傾眠などを起こす

睡眠時無呼吸症候群

診断や重症度についての詳しいお話を聞けました。

 

 

睡眠時無呼吸症候群は

寝ている時に無呼吸の回数が多く、

一時間当たりの無呼吸・低呼吸の平均回数を

参考に重症度を判定します。

 

 

 

無呼吸低呼吸指数AHI(Apnea Hypopnea Index)

5回以上を睡眠呼吸障害と定義します。

 

 

AHIが15以上で日中の眠気がある人は

全国で約200万人と言われています。

肥満傾向がある40-60代の男性に多く

女性では閉経後に増加していきます。

 

寝ている時に舌の根元が気道を塞ぐことが

発症の原因です。

 

 

治療法は

寝ている時に鼻腔から空気を入れて気道が閉塞しないように

呼吸を補助するCPAPという治療を行います。

 

 

現在全国で約40万人の患者さんがCPAP治療を受けていて

そのうち6-7割の方が肥満傾向です。

 

CPAPの治療により、症状の改善だけでなく

さまざまな効果が表れます。

 

 

心臓血管系の疾患の予防効果もあるので

肥満傾向の方で無呼吸がある方には

とても良い治療方法です。

 

 

また特殊な治療法として

アメリカで行われている上気道電気刺激法という

胸の皮下にセンサーを植え込んで

無呼吸が起こった時に呼吸筋に刺激を与えるという

方法も紹介がありました。

 

 

この治療で一年継続した例では

AHIが29.3から9.0まで低下し

眠気や生活の質(QOL)も改善したとのことでした。

 

 

最新の治療法を含め

いろいろな情報を聞くことが出来て

大変参考になりました。

 

 

最後の講演は

「胃がんに対する低侵襲外科治療の現況について」

順天堂大学 消化器・低侵襲外科 教授

福永 哲先生

 

 

内視鏡による胃がんの手術について

実際の症例を呈示して

詳しく解説して下さいました。

 

 

食道から入れた内視鏡と

腹部から入れた腹腔鏡を併用した

非常に技術を要する手術の様子をビデオで見ると

鮮明な画質と出血が全くない綺麗な術野に驚きました。

 

 

術後の身体の負担が少ないため

入院期間も短く、合併症もほとんど無いため

ご高齢の癌患者さんにもこの方法が適しています。

 

 

耳鼻科だけでなく、さまざまな科の情報を見て

かなり刺激を受けました。

 

 

順天堂大学病院は院長が

天皇陛下の心臓バイパス手術を執刀した

天野 篤先生です。

 

先生のいろいろなエピソードを読んで

順天堂大学病院の充実した診療体制も納得できました。

 

 

自分もさらに努力を重ねて

これからもより充実した外来にしていきたいと思います。