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【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

小児の顔面に多い皮膚病変

今日は朝から雨になりましたが、昼過ぎには雨が上がりましたね。

 

 

昨日は診療後に、勉強会に参加して来ました。

 

 

こどもENTミーティング、小児科の先生との研究会です。

 

 

「小児の顔面に多い皮膚病変と治療について」

東邦大学大森病院 皮膚科 吉田 憲司先生

 

 

小児脂漏性皮膚炎

マラセチアという常在菌が原因です。

生後 2-3週から出現します。

頭皮のみでも頭皮以外の脂漏性皮膚炎でも

6か月から1歳までに完全に消失します。

 

 

汗疹(あせも)

 

 

汗をたくさんかいた後に細かい水ぶくれが現れる疾患です。

 

 

夏に多く無症状で経過しますが、湿疹が加わると

痒みを伴うあせもとなります。

 

 

ステロイド外用薬による治療が有効です。

 

 

伝染性軟属腫(みずいぼ)

伝染性軟属腫ウイルスによるいぼで、

小さな光沢のある丘疹が特徴です。

 

 

治療は局所麻酔下で摘出しますが、

最近は痛みを止めるテープ(リドカインテープ)があり

摘出は外来治療が行われています。

 

 

伝染性膿痂疹(とびひ)

黄色ブドウ球菌や化膿性連鎖球菌による感染症です。

 

 

菌の産生する毒素により皮膚のバリアが破壊されるため

掻きむしると水ぶくれが生じ、

火事の火の粉が飛び火するように広がり

とびひと呼ばれます。

 

軽症では抗菌作用のある外用薬による治療を行います。

びらんが多い場合には抗生剤、

痒みを伴う場合には抗ヒスタミン剤の内服治療を行います。

 

水疱性膿痂疹

 

 

水ぶくれを伴う膿痂疹で、症例では黄色ブドウ球菌が検出されました。

 

 

正常の皮膚組織の構造です。

 

 

表皮に水疱が出来るメカニズムは

黄色ブドウ球菌が産生する

表皮剥奪毒素(exfoliative toxin)が

表皮のデスモグレイン1を分解することで

細胞間の接着が弱まって水疱が形成されます。

 

 

小児アトピー性皮膚炎

 

 

重症化すると治療が長引くことがあります。

 

 

小児は外用薬が皮膚から吸収されやすいため

一週間の外用で症状が改善することがほとんどです。

 

 

伝染性紅斑(リンゴ病)

原因はパルボウイルスB19です。

感染力は強く、感染7~9日後にウイルス血症を起こし、

軽い感冒症状を示します。

この時期にウイルスの排泄量が最大になるとされ、

その後6~7日して発疹が出ます。

 

発疹は顔面では蝶形紅斑・平手打ち紅斑などと形容される

「赤いほっぺ(りんごほっぺ)」になります。

 

特徴的な発疹を呈した時点ではウイルスの排泄はほとんどなく、

感染性は失われていると考えられます。

 

 

単純性血管腫

 

 

色素レーザーという、酸化ヘモグロビンの

吸収波長のピークに合った波長のレーザーで治療を行います。

 

太田母斑

 

 

色素細胞(メラノサイト)が皮膚の深い部分(真皮)

に集まって出来るアザです。

 

 

顔面の知覚を司る三叉神経の

第1枝、第2枝が分布する部位に発生します。

 

 

治療はナノ(10億分の1)秒パルスの

Qスイッチルビーレーザーを使用します。

 

 

近年はさらにパルス幅の短いピコ(1兆分の1)秒

アレキサンドライトレーザーも開発されています。

 

 

多くの症例を勉強して

皮膚科の病気を再確認するいい機会になりました。