【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

耳の構造とメニエール病について

今日は時々雨が降り

不安定な天気になりましたね。

 

 

 

内耳には、三半規管と耳石器という

バランスを感じる器官があります。

 

バランスの維持には視覚、前庭覚、深部覚が関与しています。

 

 

三半規管など前庭覚の異常が起こると、

他の視覚、深部覚がバランス維持のため

通常より過剰に働くようになりますが、

めまいが治まると視覚、深部覚の働きも元に戻ります。

 

その際に視覚の働きが戻らないと、

動いている物を見る時に過剰に反応したり

深部覚の働きが亢進したままでは

急な身体の動きが刺激となり、

バランスが取りにくくなります。

 

 

三半規管の中にある内リンパ液が動くと

クプラの位置が変わり

感覚細胞が刺激されて

身体の位置情報が脳に送られます。

 

 

 

 

耳石器には球形嚢と卵形嚢があり、

球形嚢はエレベーターの昇降など

垂直方向の感覚を、

卵形嚢は電車や車の加速度など

水平方向の感覚を受容する働きがあります。

 

 

 

 

内耳を満たしている内リンパが

通常より増え過ぎた状態を

内リンパ水腫と呼びます。

 

これがメニエール病の原因となる病態です。

 

 

 

 

 

メニエール病は30代から50代の

ストレスがかかる働き盛りの方に多く

女性が男性の1.4倍の頻度です。

 

数時間続くめまい、耳鳴、耳のつまり感や難聴を

同時に発症します。

聴力検査では低音部の難聴を認めます。

 

めまいを起こしている時には

眼球の動きが不安定になります。

 

この動きを眼振といい、

赤外線CCDカメラを使って眼振を観察

めまいの診断を行います。

 

 

 

外来でメニエール病の方のお話しを聞いていると

真面目で頼み事を断れず

自分一人で多くの仕事をこなしている方が多い印象です。

 

息抜きもあまり出来ない環境で苦労されていて

コーヒーを多量に飲んでいるような患者さんは

メニエール病が長引いています。

 

リラックス法や肩こり体操

自律訓練法やリハビリテーションなど

多くの治療法を提案すると、

真面目に取り組む方が多く

その結果めまい発作の回数も減っています。

 

 

ストレスの原因となっている悩みについても

お話を伺うだけで楽になる方も多く

メニエール病でお困りの方は

精神的に余裕がない事が推察されます。

 

今後もめまいでお困りの方のお役に立てるよう

引き続き努力したいと思います。