【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

漢方セミナーに参加しました

今日はスッキリと晴れましたが寒い一日でしたね。

 

 

 

 

先週はインフルエンザの患者さんがたくさんいらして

外来はかなり混雑して大変でした。

 

 

 

 

26日土曜日は漢方セミナーに参加しました。

 

 

 

 

「冷えに対する漢方薬 虚弱(フレイル)を意識して」

講師は東京有明医療大学教授

川嶋 朗先生

 

 

 

 

川島先生は、ユニークな経歴漢方の著書も多く、

冷えの治療に適した漢方薬の使い方を

詳しく解説して下さいました。

 

 

 

 

以前と比べて日本人の平均体温はかなり下がってきています。

 

 

 

昭和32年に東京大学の田坂定孝教授が

10-50代の男女3094人の平均体温を測定した結果

36.89±0.34℃という結果でした。

 

テルモ株式会社が2008年に行った調査では

1000人を対象としてインターネットリサーチを行い

平均体温は大人が36.14℃、子供が36.39℃でした。

 

 

 

 

川島先生はインタビュー記事でも

湯たんぽやレッグウォーマーの使用を推奨しています。

 

生活上の注意点として

・冷たい物を摂らずに温かい食材を選ぶ

・食べ物を良く噛んで食べる

・適度な運動

・早寝早起き

・正しい入浴

・マッサージなどを挙げています。

 

正しい入浴法として

お湯の温度を40度以下にしてしっかり温まり

湯冷めしないようにすることが重要とのことです。

 

40度以上のお湯で短時間に入浴すると冷めるときにも一気に冷め、

心臓に負担がかかると言われています。

 

 

 

 

入浴中の死亡事故は年間19000人にものぼり

年々増えています。

 

 

原因としては室内の急激な温度変化により血圧が変動する

ヒートショックが考えられています。

 

この時期には気温の変化も大きく、十分な注意が必要です。

 

 

 

 

高齢者の虚弱状態(フレイル)に対して漢方薬は効果があり、

漢方の使い分けの解説がありました。

 

 

 

食欲不振や胃腸が弱っている場合、六君子湯が効果的で

全身の健啖感が強い場合には補中益気湯

高齢で手足のしびれや冷えが強い場合は八味地黄丸

不安、不眠を伴う時には人参養栄湯

さらに不安が強くうつ状態では加味帰脾湯

 

などが使われます。

 

 

 

貧血傾向(血虚)にはしもやけにも使う

当帰四逆加呉茱茰生姜湯

(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)

胃腸虚弱で水滞があり、腰痛の方には

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)

加齢に伴う腎虚の際に八味地黄丸を使います。

 

 

 

その他多くの漢方薬についても詳しい解説があり

大変勉強になりました。

 

これからも患者さんの病態を考えて治療するように

心がけていきたいと思います。

 

 

 

 

講演の最後には、人生の最後にどのように死ぬのかを考える

QOD(クオリティオブデス)についてもお話しがありました。

 

 

 

死について真剣に考えることで

自分がやるべき事を明白に出来、健康を保つために

前向きに取り組むことが大切という考えは

とても共感できるものでした。

 

 

 

自分も日々を真剣に生きるよう心がけたいと思います。