【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

恩師との邂逅

今日はかなり暖かい一日となりましたね。

スギ花粉の飛散量も増えてきています。

 

 

自分が漢方薬を処方するきっかけとなったのは

慶應義塾大学病院での上司である

齋藤 晶先生の手ほどきを受けてからでした。

 

 

国立東京第二病院で研修を終えて

慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室に入局。

当時の助教授、現在めまいメニエール病センター長

高橋 正紘先生の平衡班に入って

齋藤先生の漢方処方を初めて拝見しました。

 

 

めまいの訴えが続いている方に

漢方薬を処方すると不思議と症状が取れて

それまではあまり漢方に対して興味がありませんでしたが、

漢方は本当に効果があるんだと感心しました。

 

 

また齋藤先生の患者さんに対する真摯な態度には

自分も見習うべき点が多々ありました。

 

漢方薬を処方することで患者さんの安心感が増すこと

ある症状を改善する目的で処方した漢方薬が

他に困っていた目的外の症状まで改善することなど

とても不思議な世界を目の当たりにしました。

 

 

医局に入局後は大学病院ならではの

連日の激務でクタクタに疲れ果てていましたが

そんなヘトヘトな状態で風邪をひき始めの時

齋藤先生に、

「よく頑張ってるね。疲れた時には休んで良いよ。

良かったら風邪気味の時に元気が出るから葛根湯を飲んでご覧!」

 

 

との優しいお言葉に従って

一包飲んだとたんに気力がみなぎってきたため

凄い効果だと実感したのが

漢方の魅力を認識したきっかけでした。

 

 

 

そんな恩人である齋藤先生とも病院を移って以降は

久しくお会いしていませんでしたので

毎年年賀状を書くたびに、今頃どうしていらっしゃるのかな?

と心配していました。

 

 

昨晩のツムラ漢方研究会の講演が終わり

会場内を移動すると、目の前にどこかで見覚えのある顔が・・・

 

「やあ久しぶりだね!」

突然笑顔で齋藤先生が声をかけて下さいました。

 

 

埼玉社会保険病院で長く耳鼻科医長をされていて

若い医師をずっと指導されてきましたが

KYな若手の先生の態度に徐々に気力を失って行かれたそうです。

 

なかでもうつ病を発症した部下の世話に忙殺され

仕事量が倍増してしまって、かなりご苦労されたとのこと。

 

 

そんな苦労話を聞き、

「健康面では大丈夫ですか」と伺うと

現在は病院を移られて

「すっかりストレスがなくなって、今までで一番体調がいいよ」

と笑顔でお話し下さいました。

 

埼玉県の医師会の世話人や、漢方の論文執筆など

好きなことが出来て充実しているとおっしゃっていました。

 

 

麻布高校から慶應義塾大学に進学した息子さんも

先日国家試験が終わり

これからの将来が楽しみです。

 

 

思いがけずに恩師と邂逅して、とても素敵な時間でした。

漢方の研究会に出席して本当に良かったです。

 

 

またこれからも齋藤先生から教わった漢方の知識を生かして

自分もさらに前向きに頑張って行こうと

決意を新たにしました。