【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

寝耳に水

今日は晴れてとても暖かい一日で、

春が近付いているのが実感できます。

 

 

「寝耳に水」という言葉がありますが

耳鼻科ではめまいの程度や

病気の起きている耳が

どちらの耳かを判定する目的で

耳に水を入れて目の動き(眼振)

を見る検査があります。

 

 

カロリックテストという検査です。

 

 

耳に冷たい水を入れると、

入れた方の耳と反対方向に向かう眼振が、

お湯を入れると入れた方の

耳に向かう眼振が観察されます。

 

 

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この不思議な現象を報告したのは

1914年にノーベル生理学・医学賞

を受賞したオーストリアの

ロベルト・バラニーでした。

 

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最初に気がついたのは

患者さんの耳の処置中のことです。

 

当時の耳鼻科医師は

耳だれの患者さんの耳を水で洗う時に

めまいが起きることを知っていましたが

それがなぜなのかは

わかっていませんでした。

 

 

ある時耳を洗浄中の患者さんが

「先生、冷たい水で耳を洗うとめまいがします。

家庭で暖かいお湯で洗う時には

全くめまいはしないんです。」

と言いました。

 

そこで次の日に熱いお湯で耳を洗浄すると

「先生、熱すぎる。まためまいがしてきます。」

と患者さんが叫び、その時に目の動きを見ると

それまでの冷たい水で洗った時の

眼振の向きと全く逆の方向に

目が動いていることがわかりました。

 

 

この発見は医学上でも

歴史的意義がとても大きく

現在でもめまいの病側診断に

役立っています。

 

またカロリック試験は

脳死判定の際にも用いられています。

 

 

寝耳に水の言葉の由来は

寝ている状態で洪水の濁音が

耳の中に飛び込んで来るような

恐ろしいことが起こる事に

驚くことから来ているようです。

 

 

昨年は仲が良かった

高校の同級生が二人も亡くなり

先月は以前国立栃木病院に

勤務していた時から懇意にしていた

とても優しい優秀な薬剤師さんも逝去され

まさに寝耳に水の状態でした。

 

 

両親も突然の旅立ちでしたので

残された人は寂しさを克服するのは

とても難しいですが

心の中ではずっと生き続けていてくれています。

 

 

両親や友人には感謝の気持ちでいっぱいです。

これからもお世話になったご恩を忘れずに

生きていたいと思います。