【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

東日本大震災から9年

今日は朝からスッキリと晴れ

気温も上がりましたね。

 

 

東北地方を襲った東日本大震災から

9年が過ぎようとしています。

 

 

学生時代に広瀬隆さんの

危険な話」を読んで以来

いつか必ず原発事故が起こると思っていましたが

いざ事故が起こると

想像以上の甚大な被害でした。

 

 

2011年3月

史上最悪の福島第1原発事故が発生。

暴走する原子炉の前で

吉田所長をはじめ現場の人間は、

その時まさに

「死の淵」に立ちました。

 

 

門田隆将さんの「死の淵を見た男

 

 

なぜ電源が喪失した

放射能汚染の暗闇の中へ

突入し続けることができたのでしょうか。

 

日本のために

命を投げ出して果敢に立ち向かい

食道癌、脳内出血のために

58歳という若さで亡くなった

日本を救った男

 

この本の内容は現場と官邸との

ギリギリのやり取りなど

驚くべき事実が書かれています。

 

門田さんは新聞という病

 

 

でも、福島原発の職員が

上司の命令に逆らって

職場放棄し避難したという

朝日新聞の「吉田調書」について

実際はそのようなことは一切無かったと

当時現場にいた関係者の

インタビューを通して明らかにしています。

 

 

 

原発事故の汚染水処理では

現在も毎日大量の

放射線廃棄物が産生され続け

汚染処理を中止すれば海洋投棄で

放射線被害が広範囲に及びます。

 

 

静岡県で事故直後に

お茶の放射能汚染が起こった際

県や政府は直ちに影響はないと

根拠のない発表を行い

いつの間にか

無かったことのようになりました。

 

実際には事故数年後も

放射線濃度が高いお茶の産地が多く

国は放射能検出基準値を上げて

飲んでも安全であるとしています。

 

 

原発事故で汚染された牛乳

全国に分配されたり

瓦礫の処理を全国の自治体に依頼して

日本全国の放射線被曝を進めたり

3.11で明らかになったのは、

政府がいざという時に

平気で嘘をつくという事です。

 

 

政府は国際機関である

ICPR(国際放射線防護委員会)や

UNSCEAR

(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)

でも採用されていない

100mSv以下安全説を発表しています。

 

 

海外メディアは原発事故後

連日の東電発表が

全くのデタラメである事に気付き

本国へのニュース配信をやめてしまい、

東電の記者会見場は人がほとんどいないという

異常な状態になりました。

 

それまでドイツは日本に対して

とても好意的な国でしたが

事故後の政府や東電の隠蔽体質を見て

日本に対する好感度が激減しました。

 

 

9年の間に福島県の癌や白血病

心筋梗塞、甲状腺腫瘍の増加など

医学的にも明らかに

放射線の影響と思われる事実が

今でも引き続いて起こっています。

 

特に小児の甲状腺癌は、

自分が医師になってからは

一例も経験した事がないほど

頻度が少なかった疾患ですが、

原発事故後は明らかに増加しています。

 

疫学の専門家である

岡山大学の津田敏英教授(生命環境学)

論文を発表し、

原発事故後の小児甲状腺癌の発生が

国内平均の20-50倍に達している

というショッキングな内容でした。

 

 

神戸大学大学院海事科学研究科

山内知也教授のレポートにも、

小児甲状腺癌が増加しているという

厳しい現実が述べられています。

 

 

福島県の住職である登嶋厳信さんは

被災後横浜に避難、

自分の被災した未曾有の体験を

情報発信しています。

 

(震災手記「ふくしまの風景」ー原発事故から見えてくるものー)

 

これを読むと事故後の

あまりの凄惨さに言葉を失います。

 

登島さんは

福島原発かながわ訴訟の原告にもなっていて

国と東京電力の責任を追及し続けています。

 

 

オリンピック開幕が迫っている現在も

いつ終わるかもわからない

放射能の被害状況となっていますが

今後も様々な情報を集めて

自分にできることを

しっかりとやっていきたいと思います。