今日は晴れて
気持ちいい一日になりましたね。
研修医時代にお世話になった
上司の先生とは今でも
ゴルフに行ったり交流が続いています。
先月は京都に行かれたとの事で、
素敵な写真を送って下さいました。
今の時期、京都は紅葉が
素晴らしいですね。
夜景もとても綺麗です。
11月に読んだ本をご紹介します。
人類史上最恐の頭脳
天才科学者フォンノイマンの業績と
エピソードが綴られています。
コンピューター理論を確立し
数学、量子物理学をはじめ
150を越える分野に影響を与えました。
ロボットで生命をシミュレートする
「人工生命」の可能性を見出した
一人としても知られています
1915年にハンガリーのブタペストの
ユダヤ人資産家の家系で生まれ、
幼少期から複数の家庭教師のもと
様々な英才教育を受けていました。
特に父親、マックスの意向で
語学には力を入れており、
幼児期から、ハンガリー語、ドイツ語、フランス語の
英才教育を受け、英語、イタリア語、ギリシャ語、
ラテン語なども習得していました。
8歳の時には微分積分をマスター。
11歳の時にはノイマンに数学を教えに来た
数学者のガブリエル・セゲーの前で
大学数学の問題を解いてみせ、
その解法の鮮やかさにセゲーは感動して
涙を流したという逸話まであります。
23歳で数学と化学物理の博士号を得たのち
ベルリン大学で講師を務めていましたが、
ユダヤ人迫害を掲げるナチス政権の影響を懸念し、
1930年代に家族で渡米します。
世界で最も優秀な学術研究機関である
プリンストン高等研究所の立ち上げを受け、
働くことになりました。
当時この研究所の所員として
アルベルト・アインシュタインや
数学者のクルト・ゲーデルなどがおり
ここで多くの成果を出すことになります。
特に現在のコンピューターの
基本的な動作原理となる
EDVAC
(Electronic Discrete Variable Automatic Computer)は、
「ENIAC」の後継機として開発される
コンピュータの名称です。
ノイマンは、
「入力(Input)→中央処理装置
(CPU: Central Processing Unit)
→出力(Output)」という
現代のコンピュータの根本となる
「ノイマン型アーキテクチャ」
を設計しました。
また格子と単純な規則で動作する
セル・オートマトンという計算モデルは、
その後、気象学や生物学などの分野で
様々な自然現象を
シュミレーションする手法として活用され、
DNA の自己複製の発見や、
数式では表すことができない
乱流の解析などの成果を上げました。
原子爆弾開発・製造のための
「マンハッタン計画」
原爆投下計画において、
歴史的文化的価値が非常に高いことを理由に
京都への原爆投下を主張し
日本人の戦意を喪失させ、
戦争を早期に終息させようとしました。
1946年ビキニ環礁における核実験に立ち会い
1955年51歳の時に膵臓がんと骨腫瘍を併発。
核実験への立会いの際に
多量の放射線を浴びたことが
がんの発症につながった可能性があり
1957年に53歳で人生の幕を閉じました。
不完全性定理で数学・論理学の歴史を
根底から変えたクルト・ゲーデル
思考する機械への道を拓いた
ノイマンと同時代に生きた彼らは、
互いに触発され、相互に意識しながら
多くの業績を残しました。
チューリングは全ての命令を
一定の規則に基づく記号配列に置き換えて
計算する理想機械
を開発し、現在のコンピューターが
行っているあらゆる情報を
デジタル処理する原型を作りました。
ナチスドイツの暗号であるエニグマ
を解読し、連合国軍の勝利に貢献し、
戦後には世界で初となる
チェス・プログラムを作成しています。
がプリンストンで彼らと一同に会し
原爆とAIの開発に携わったことは
世界の科学技術のレベルを
格段に進歩させることとなりました。
この本ではノイマン、ゲーデル、チューリングの
一般向けの講義がわかりやすく解説されていて
内容をゆっくり吟味しながら
読み進めることが出来ます。
知の巨人達の思考回路をたどることが出来て
とても貴重な体験でした。
今後も医学以外の領域に関しても
いろいろと勉強したいと思います。