今日も晴れてかなり暑い1日になりましたね。
土曜日の外来は忙しく、お子さんが多く来院されました。
19日木曜日の夜はアレルギー研究会に参加して来ました。
最初の講演は
「嗅覚障害の診断と治療
ー嗅覚障害ガイドラインの紹介と解説ー」
松脇クリニック品川 院長 松脇 由典 先生
嗅覚障害ガイドラインについて詳しく解説していただきました。
嗅覚障害に対する多くの治療法の中で
推奨する内服治療としては
当帰芍薬散が挙げられています。
当帰芍薬散以外には人参養栄湯、加味帰脾湯もあり
漢方治療の有効性が認められていることを再確認しました。
また嗅覚を回復させるトレーニングについても解説していただき
今後の治療として大変参考になりました。
続いて
「喘息を合併した慢性副鼻腔炎に対する周術期管理について」
東京慈恵会医科大学病院 麻酔科准教授 近藤 一郎先生
手術中に気道狭窄を起こしやすいため、
気管支喘息患者さんの麻酔管理はかなり難しく
具体的な注意点や発作時の対処法など
非常に参考になる講演でした。
手術前にいかに喘息患者さんの呼吸状態を良くしておくかが
重要であることを再認識しました。
最後は
「One airway, one disease的アプローチによる喘息治療」
NTT東日本関東病院 呼吸器センター長
放生 雅章先生
気管支喘息患者さんでは
好酸球性副鼻腔炎を合併する率が高いことが知られています。
免疫反応に関与しているインターロイキン5が、
好酸球の増多を引き起こして
気管支喘息の重症化を引き起こすことから、
インターロイキン5を抑える薬(メトリズマブ)も
喘息治療の選択肢として挙げられています。
メポリズマブは
既存治療によっても喘息症状をコントロールできない
成人および12歳以上の小児に対する
気管支喘息難治の患者に限り
固定用量100mgを4週に1回皮下投与する薬剤です。
投与前の血中好酸球数が多いほど
気管支喘息患者さんの発作抑制効果が強くなる傾向があります。
好酸球性副鼻腔炎では鼻ポリープを手術しても
再発することが多いのですが
手術直後にメポリズマブを投与することで
再発を予防することが可能というお話しでした。
また内服治療でコントロール不能な
重症気管支喘息患者さんに対して
気管内壁で肥厚した平滑筋を65℃で暖め
気管支平滑筋を減少させる
気管支サーモプラスティーが行われていますが
その適応や方法なども解説があり
大変勉強になりました。
当院の気管支喘息患者さんにもアドバイス出来るよう
これからも最新の知見を勉強していきたいと思います。