【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

加熱式タバコの喫煙状況

今日は雨が降りかなりの寒さになりましたね。

外来も比較的落ち着いていて

年配の患者さんとは昔の若林の様子について

いろいろと懐かしいお話をしました。

 

 

2020年4月1日から改正健康増進法が全面施行されます。

この法律の目的は、

「望まない受動喫煙」の害の低減を目指しています。

 

厚生労働省の研究班による推計では、

受動喫煙によって年間に亡くなる人(男女合計)は

約1万5000人(肺がん2484人、虚血性心疾患4459人、

脳卒中8014人、乳幼児突然死症候群73人)となっています。

 

受動喫煙は「迷惑」や「気配り、思いやり」の問題ではなく、

「健康被害」「他者危害」の問題です。

 

 

厚生労働省の2018年国民健康・栄養調査で

たばこを習慣的に吸う人のうち、

加熱式タバコの利用者は男性が30.6%、

女性が23.6%に上ることがわかりました。

紙巻きたばこを含めた喫煙率は減少傾向が続いています。

 

 

喫煙者が使用しているたばこ製品に関し、

紙巻きたばこのみ、加熱式たばこのみ、

両方と回答した割合は、

男性がそれぞれ68.1%、22.1%、8.5%、

女性は76.1%、14.8%、8.8%でした。

 

 

 

また世帯の所得別

(①200万円未満 ②200万円~400万円未満

③400万円~ 600万円未満 ④600万円以上)

に世帯員の生活習慣

(食生活、運動、喫煙、飲酒、睡眠、健診、体形、残存歯の本数)

の状況を比較しました。

 

その結果、600万円以上の世帯員に比べ

200万円未満の世帯員では、

習慣的喫煙者、健診未受診者、

残存歯の本数が20本未満の者の割合が

有意に高いことが判明しました。

 

 

健康診断の未受診率では、

世帯所得200万円未満の男性が40.7%、

女性が41.1%だったのに対し、

600万円以上の男性は16.7%、女性は26.1%と

未受診率が低いことがわかりました。

 

 

喫煙と肺の病気には密接な関連があります。

 

日本でも加熱式タバコで重篤な呼吸器障害を引き起こし、

一時は生命の危機に陥った患者の症例報告が出ています。

 

アイコスを吸った後、急性好酸球性肺炎になった

20歳男性患者さんの報告です。

 

 

好酸球は白血球の一種でアレルギー反応を制御しますが、

アイコスに含まれる物質が劇症のアレルギー反応と

好酸球の活性化を引き起こしたのではと考えられています。

 

 

加熱式タバコは

世界的に規制されている状況ですが

日本では危険性が認識されていません。

 

今後も健康に生活するため

喫煙の危険性について情報を発信したいと思います。