【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

イグノーベル賞とは?

最近は花粉症の方が多く受診されて

忙しい毎日です。

 

 

イグノーベル賞とは、

ユーモア科学研究ジャーナル編集長の

マーク・エイブラハム氏が創設した

「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」

に対して毎年10組に授与される賞で、

1991年に創設されています。

 

 

「目を見張るほどバカげているが,

刺激的でなければならない」

という非公式基準があるという賞です。

 

毎年数多くのユニークな研究がノミネートされ、

物理学、化学、平和、経済学、医学・生理学、文学

などのカテゴリーのほか、

公衆衛生学賞、心理学賞、昆虫学賞など多岐にわたります。

 

時には世界の反対を押し切って

水爆実験を強行した

フランスのジャック・シラク大統領が

「ヒロシマの50周年を記念し、太平洋上で核実験を行った」

としてイグノーベル平和賞を授与するなど、

皮肉や風刺を込めた選定もある面白い賞です。

 

 

医学関連では

「急性虫垂炎は道路の凸凹で

痛みを感じるかどうかで診断できることを発見」

という変わった視点からの研究もあります。

 

 

虫に刺されたときに

身体のどの部位が痛いのかを解明した

研究者2人(共同受賞)は、

被験者の人権を守る倫理規定

(ヘルシンキ宣言)に抵触しないよう、

自らを被験者としました。

 

約150種類もの虫に刺されたり、

ハチに刺されたりした結果、

ハチに刺された時にあまり痛くない場所は、

上腕、頭頂部、つま先でした。

 

もっとも痛い場所は、

鼻の穴、上唇、陰部とのことです。

 

身体を張った研究結果ですね。

 

 

2011年度は化学賞に

わさびのにおいで火災を知らせる

「臭気発生装置」を開発した

東京江東区の会社「シームス」

が選ばれました。

 

これは補聴器や人工内耳の装用者が

寝ているとき火災報知機が作動すると,

わさびから抽出した成分を噴霧,

眠っている聴覚障害者にも火災を気づかせる装置です。

 

授賞理由は

「火災やその他の緊急時,

睡眠中の人を起こすのに理想的な

空気中のわさびの濃度の決定

およびわさび警報器発明への応用」で,

実験では鼻づまりの人以外は

1~2分で眼がさめることが確認されました。

 

 

2011年の物理学賞には

「なぜ円盤投げでは目が回り

ハンマー投げでは回らないのか」

が選ばれました。

 

 

円盤投げでは時にめまいを生じますが

ハンマー投げでは全くめまいは起こりません。

 

 

22名のスポーツ選手を対象に

視線や頭部運動をビデオ記録して観察した結果、

円盤投げでは選手の59%がめまいを生じましたが

ハンマー投げでは全員めまいは起こりませんでした。

 

ビデオ分析によると、ハンマー投げの最中は視線が

ハンマーに固定していて、

円盤投げでは視線が固定していないため

コリオリ効果により

乗り物酔いを引き起こしやすいと考えられます。

 

 

 

ハンマー投げでは重いハンマーを回しながら

身体をぐるぐる回すため、

見かけ上ではめまいを生じやすいように思われます。

 

しかし実際はハンマーの先を見つめながら

視線を固定しているために

乗り物酔いを体験せずに競技が出来ると言うわけです。

 

 

イグノーベル賞は

他にもいろいろ面白い研究があるので

紹介していきたいと思います。