今日は晴れてすっきりしたお天気になりましたね。
昨日は東邦大学医療センター大橋病院の病診連携会に参加しました。
会場は渋谷セルリアンタワー東急ホテルです。
最初の講演は
皮膚科准教授 新山 史朗先生の
「男性型脱毛症治療
〜培養ヒト自家毛球部 毛根鞘細胞移植を含めて〜」
毛髪は総数で約10万本もあります。
成長期に毛髪は、一日平均0.4mm伸びます。
退行期には2-3週に1%の割合で減少し
休止期には3~4ヶ月に14%、一日50~80本も脱毛しています。
男性に多い脱毛症は、男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia : AGA)
と呼ばれています。
男性型脱毛症の治療はフィナステリド(プロペシア)
やデュタステリド(ザガーロ)の内服治療が効果的です。
男性ホルモン(テストステロン)がDHT(ジヒドロテストステロン)
に変化される際に働く酵素 5αリダクターゼを選択的に阻害して
男性型脱毛症の進行を抑えます。
また外用薬としてミノキシジルが有効です。
これはもともと降圧剤として開発されていた薬ですが
副作用として多毛症があり、育毛剤として認可されました。
最新の研究として、脱毛症患者さんの頭皮の皮膚を採取し
細胞加工培養施設(資生堂SPEC)に送り、
細胞製剤を作って再び患者さんの脱毛部分に注入するという
培養ヒト自家毛球部 毛根鞘細胞移植についての解説があり
最先端医療について勉強することが出来ました。
次の講演は
「患者に優しい心臓手術 〜低侵襲心臓手術 MCS〜」
心血管睡外科 教授 服部 浩治先生
人工弁を用いない弁膜症手術として
自己心膜を用いた大動脈弁再建手術(Ozaki手術)
僧帽弁閉鎖不全に対する僧帽弁形成術(MVP Mitral Valve Plasty)
があり、実際の手術映像を見ることが出来ました。
心臓血管外科の手術は基本的に胸骨正中切開で
人工心肺を使用しています。
最新の僧帽弁手術では、右側の胸部を切開するため
従来の胸骨正中切開に比べ手術創部が小さく
美容上でも患者さんの満足度が高くなっています。
低侵襲手術 MICS (Minimally Invasive Cardic Surgery)
と呼ばれる手術はこの他に、
左の胸部を切開する冠動脈バイパス手術もあり
最新の血管外科手術映像を見ることが出来ました。
最後の講演は
「ここまでできる!肝がんの内科的治療」
消化器内科 教授 渡邉 学先生
肝細胞癌に対する治療として
ラジオ波焼灼療法 マイクロ波凝固療法などの穿刺局所治療があります。
また血管内にカテーテルを入れ
抗がん剤や塞栓物質を注入する治療として肝動脈化学塞栓術
手術不能で穿刺局所治療の対象とならない患者さんに対しての
持続肝動脈化学療法などもあります。
いずれも術後の身体の負担が少ないため入院期間も短く、
ご高齢の癌患者さんにも適している方法です。
会の終了後にホテルの会場で、大学病院の先生との懇親会があり
世田谷区医師会の先生を通じて新しく懇意になった
他科の先生方とも楽しくお話しさせて頂きました。
今回耳鼻科以外の科の最新情報を聞き、多くの刺激を受けました。
これからも積極的に勉強会に参加したいと思います。