【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

勉強会に参加しました

梅雨になり紫陽花も綺麗に咲いています。

 

 

 

6日土曜日は東京ガーデンパレス

 

 

で開催された

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会に参加してきました。

 

最初の講演は、

「嗅覚障害の病態理解に基づく治療戦略」

日本大学医学部

耳鼻咽喉科頭頸部外科学講座 准教授

菊田 周先生です。

 

 

副鼻腔炎による嗅覚障害について

基礎的研究から臨床応用まで

わかりやすく解説していただきました。

 

匂いを嗅いだり、鼻での呼吸動作に伴い、

匂いの成分が鼻の奥にある

嗅粘膜に到達し、それが電気信号に変わって

大脳に伝達されることにより

匂いとして感じ取ります。

 

 

 

ヒトの嗅上皮細胞は鼻腔全体の

3〜10%の領域に限局しています。

 

また嗅覚は味覚とも深い関係があります。

 

これは味を感じる時に、

舌で感知する味覚と合わせて

口から鼻に空気が通る際に

感じ取る香りとが合わさるためです。

 

風邪を引いたり、副鼻腔炎で

鼻が詰まったりすると

味が分かりづらくなります。

 

好酸球性副鼻腔炎

 

 

 

アリナミンテストによる嗅覚障害の判定では

持続時間と潜時による指標が用いられていましたが

嗅覚上皮細胞が障害される際

インスリン受容体に対する感受性が亢進することが

判明しました。

 

動物実験ではインスリン投与により

嗅覚上皮細胞の機能回復や

新生嗅細胞の成長促進が報告されています。

 

そのため嗅上皮細胞にインスリンを含んだ

ゼルフォームというゼラチン様の物質を

留置することで嗅覚障害の治療を行うという

新しい方法が開発されています。

 

将来の治療効果に役立つことが

期待されています。

 

 

 

続いて「難聴対策の重要性について

ー社会保障の大改革を耳鼻咽喉科が乗り切るためにー」

東海大学医療医学部 耳鼻咽喉科

頭頸部外科 教授

和佐野 浩一郎先生

 

 

日本における認知症予防の可能性を解析し、

生活習慣や健康状態の改善により38.9%が

理論的に予防可能であることを解明しました。

 

厚生労働省によると、

2022年時点では65歳以上の約12.3%が認知症、

約15.5%が軽度認知障害(MCI)で

合計約1000万人となっており、

2050年には1200万人に達すると予測されています。

 

発症を防いだり遅らせたりする

「予防」の重要性が高まっています。

 

生活習慣や環境要因といった

危険因子への対策を講じることで、

世界の認知症の約45%が

予防可能であるとの結果を報告しました。

 

「教育の低さ」「難聴」「社会的孤立」といった

14の修正可能な認知症危険因子について、

公的統計や疫学データなど

信頼性の高い国内データを用いて解析しました。

 

その結果日本における最大の危険因子は

「難聴」で、次いで「運動不足」、

「高LDLコレステロール」と続くことを特定。

 

さらにこれらを含む14の要因を

一律に10%低減させるだけで、

将来的に20万人以上の認知症の発症を

抑制できる可能性を見いだしました。

 

 

 

 

「頭頸部外科のパラダイムシフト」

東京医科大学

耳鼻咽喉科頭頸部外科 教授

塚原 清彰先生

 

 

 

 

頭頸部癌の手術治療について

実際に動画を見ながら詳しく解説していただきました。

 

手術手技が鮮やかでほぼ出血もなく

病変を摘出するまで非常に短時間だったのが

とても印象的でした。

 

若い医師の指導も具体的で素晴らしい内容であり

これからさらに優秀な医師が

数多く育っていくことでしょう。

 

 

これからも積極的に

勉強会に参加したいと思います。