K:では、うつ病の患者さんには、どのような治療をするのですか?
M:まず大切なのは『休養』です。
うつ病の方はギリギリの生活をしている方が多く、休養する必要がありますね。
次に環境を整えて精神療法、薬物治療を行います。
治療期間は半年でおよそ「60-70%の効果」があります。
薬剤の治療の効果は初回治療で50%
再発率は2回目、3回目と増える傾向があります。
K:うつ病の方には薬剤を必ず投与するのですか?
M:軽症の方には抗うつ剤であるSSRIは無効であることが知られています。軽症の方には安易に薬を処方しないことが重要です。
K:なぜ軽症のうつ病の方に薬は無効なのでしょうか?
K:なるほど。では中等症や重症のうつ病の治療はどうでしょうか?
M:中等度のうつ病患者さんには薬物療法が有効で、多くの抗うつ剤の中から患者さんの重症度に応じて適切な薬を選択することで対応しています。
また統合失調症や重症うつ病などで薬物療法が無効な時や、時間的猶予がない時には、修正型電気けいれん療法という麻酔科管理下でけいれんを誘発して脳波を変換する特殊な治療を行うこともあります。
K:うつ病の発症はどんなことがきっかけになっているのでしょう?
M:特に生活が乱れていることがうつ病のきっかけとなっている方が多く、生活指導することでも効果が現れることがありますね。
K:なるほど、生活の乱れとは具体的にはどんなことでしょう?
M:まずは睡眠不足でしょうね。
こちらは各国の睡眠時間の比較です。
日本は極端に睡眠時間が短くなっていますね。
M:睡眠不足の方にはどんな薬も効かないのです。
M:こちらは日本うつ病学会ガイドラインです。
飲酒を控えることが重要ですね。
次に必要な精神療法についてお話ししましょう。