【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

花粉症の漢方治療

花粉症の患者さんが日ごとに増えてきています。

 

 

通常の内服薬の効果がない方に

漢方薬を使用することで

症状が改善する場合も多く見られます。

 

 

漢方では「気(き)・血(けつ)・水(すい)」が

バランス良くめぐって健康を保っていると考えます。

 

 

 

「水(すい)」は、血液以外の水分や体液を表します。

「水(すい)」のめぐりがうまくいかずに排泄できないと、

体内に余分な「水(すい)」がたまりやすくなります。

「水(すい)」が鼻からあふれ出たものが鼻汁です。

 

 

花粉症では鼻に過剰な水分が遍在して、鼻汁や鼻閉を起こします。

 

一般に水分が体に過剰に存在すると、

脾・肺・腎の機能不全による水毒が生じ、

身体が冷えやすく、顔色も青白くなります。

 

アレルギー性鼻炎では

「水(すい)」が「気(き)」の流れをさまたげるため、

その「気(き)」を動かそうとしてくしゃみが出ます。

 

 

 

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

は花粉症に効く漢方薬です。

 

小青竜湯は、「水(すい)」によって冷えた身体を温め

「気(き)」を動かして、

鼻水(鼻汁)・くしゃみなどの症状を抑えます。

 

 

小青竜湯の構成成分である麻黄は

エフェドリンという物質と同様の成分が含まれているため

長期間の内服で血圧上昇が見られることがあります。

 

また胃腸障害の副作用もあるため

胃腸が弱い方には麻黄の含まれない製剤を処方します。

 

 

小青竜湯以外には

手足の冷えが強い方に処方する

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)があります。

身体の血流を改善し、身体を温める作用が強い薬剤です。

 

附子にも血圧上昇作用や発汗作用があるので

高血圧の方には慎重に投与します。

 

 

また胃腸の弱い方には麻黄が含まれていない

苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)や

市販薬のチクナインでもある

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)を処方します。

 

苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)

は、手足の冷えが強く虚弱で胃下垂を伴う人に適しています。

 

 

花粉症と副鼻腔炎を合併している方には

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

などが有効です。

 

花粉症で西洋薬で効果が少ない方は

漢方薬を併用することで、症状がかなり改善することがあり

一度当院にご相談下さい。