今日は晴れて暑い一日となりましたね。
木曜日に参加した勉強会で、鼻の疾患についての講演がありました。
「小児の鼻副鼻腔疾患」
東邦大学大森病院 耳鼻咽喉科 和田 弘太先生
小児の副鼻腔炎で病状が高度の場合には
頭痛や吐き気を訴え
内服で効果がないと手術治療を行うことがあります。
CT画像で左前頭洞、両側上顎道に灰色の陰影を認め
副鼻腔に液体が多量にたまっている所見です。
右鼻の中の手術所見です。
右の上顎洞を開放すると、黄色の膿が多量に排出されました。
鼻と頭蓋は距離が近く、炎症が脳に及ぶ場合もあります。
急性副鼻腔炎では眼窩内に炎症が波及すると
眼窩骨膜下膿瘍を生じます。
副鼻腔CTでは左の眼窩内部に占拠性病変を認めます。
眼球が圧迫され偏倚しています。
手術で膿瘍を排出して治療しました。
頭蓋内合併症は10代男子に多く、
若年者では硬膜や骨膜と連絡している
板間静脈が発達していて、赤色骨髄が多いために
骨髄炎を起こしやすいと言われています。
鼻腔の良性腫瘍、後鼻孔ポリープの症例です。
鼻の突き当たり、両側鼻腔をふさぐ大きな腫瘍を認めます。
ポリープが巨大で鼻腔からは摘出できず
口から引きずり出して摘出しています。
眼窩底骨折
副鼻腔CTで右眼窩底骨折部位から
脂肪組織が突出している所見です。
上顎洞内の内視鏡所見ですが
突出した脂肪組織が確認できます。
飛び出した脂肪組織を骨折した部位から押し戻し
バルーンを膨らませて骨折部位を圧迫固定して
手術を終了しました。
異所性脳組織
右鼻腔内に白色の腫瘤を認めます。
非常に珍しい症例です。
若年性血管線維腫
Tが右鼻腔内に出来た腫瘍です。
血管造影検査で腫瘍が濃く描出されています。
腫瘍に至る血管を塞栓術で処置後に手術で摘出します。
繊維性骨異形性症
細胞内伝達機構のGタンパクという物質が異常を起こし、
骨の形成に障害を起こすと考えられています。
CTにて骨の肥厚とするガラス状の変化(ground-glass所見)が特徴です。
多くの疾患をわかりやすく解説されて、
小児科の先生も感心していました。
これからも積極的に勉強会に参加したいと思います