今日は雨が降って急に寒くなりましたね。
寒暖差で体調を崩す方も多く来院されました。
めまいで当院に受診される方は女性が多く
漢方薬の苓桂朮甘湯（りょうけいじゅつかんとう）
を処方すると、めまいの改善だけでなく
肩こりや手足の冷えなどにも効果が出ることがあります。
苓桂朮甘湯の効果を実感したのは
若い女性でめまい 吐き気が強く朝起きられない
車酔いがひどいという方の治療経験です。
で解説しましたが、内服後一週間でめまいと嘔気は改善し
朝も快適に過ごせるようになり
3週間後にはそれまであった車酔いの症状まで改善したのには
大変驚きました。
最近は長時間のデスクワークでパソコンを見続けていて
めまいやふらつきを訴えて受診される方が多く
低血圧で肩こりや手足の冷えを伴うめまいに
苓桂朮甘湯の効果がある印象です。
また気圧の変化による頭痛やめまいを起こす方にも
苓桂朮甘湯が効果的で
低音障害型の難聴、メニエール病などでも処方する場合があります。
注意点として、構成成分に甘草が含まれているため
長期間の内服で血圧が上昇することがあり
高血圧の方には内服の際注意が必要となります。
また女性に対する三大処方
当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）
加味逍遥散（かみしょうようさん）
桂枝茯苓丸（けいしぶくりょうがん）
は更年期に処方されることの多い漢方です。
当帰芍薬散は冷え性で貧血傾向があり
疲労しやすい方に、
加味逍遥散はのぼせ感があり疲労しやすく
肩が凝り不眠傾向の方に、
桂枝茯苓丸は比較的体力があり、頭痛、のぼせ、めまい
足の冷えなどがある方に
それぞれ効果があります。
実際にこれらの漢方は更年期の方に好評で
めまい以外の様々な症状が改善するため
めまいが治っても継続して処方を希望される方もいらっしゃいます。
更年期の方に限らず若い女性にも効果のある漢方薬は
加味帰脾湯や補中益気湯など数多くあります。
女性のめまいの漢方治療は奥が深く
患者さんの置かれている状況を把握したり
ストレスの原因を取り除く必要があり
まだまだ勉強が必要ですが
これからも知識を深めて
さらに充実した外来にしていきたいと思います。
