【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

予知夢について

ようやく梅雨も明けて夏らしくなってきましたね。

 

 

大学時代の友達と会った時に

「未だに医学部時代の試験の時のことを夢に見る」という話を聞いて

ずいぶん前の出来事なのに

そういう事もあるんだなあと思いました。

 

 

人はなぜ夢を見るのかについては

現実と睡眠を分離して心身を休ませ、

一日に収集した膨大な情報を整理して、

必要な物とそうでない物を整理しているためと言われています。

 

 

神経伝達物質であるオレキシンは睡眠に関与する物質で、

覚醒の維持、体内時計に関与して適切な睡眠・覚醒リズムを維持しています。

 

 

オレキシンを発見した筑波大学 柳沢 正史教授との協同研究者、

金沢大学 桜井 武教授はインタビュー

寝る直前にスマホを見る事が睡眠障害につながるとしています。

 

 

 

記憶のメカニズムとして、記銘、保持、想起の三つが知られています。

 

脳の記憶に関する部位には海馬(かいば)があります。

目と耳、鼻、触覚から記憶の元となる情報が海馬に集められ

大脳皮質に情報が集積されて保存されます。

 

 

睡眠中に脳が過去に体験した出来事をジャンルごとに整理しますが、

過去の記憶を倉庫から引き出したりまとめたりという作業中に

脳内でストーリーが作製され、それが夢として知覚される状態となります。

 

 

睡眠中は、脳が覚醒して眼球が動いている

レム睡眠という期間に夢を見るとされていますが、

この時大脳皮質の活動レベルが起きている時とほぼ同じ水準にあるため

脳の記憶倉庫から過去の記憶映像が再生されると同時に

その映像に合致したストーリーが作られると考えられています。

 

 

予知夢については、脳が休憩している時に

これまでに知られていた脳内の情報と、

目の前の情景に関連する情報とが結びついて起こるとされています。

 

これはデジャヴ(既視感)あるいは既視(already seen)とも関連して

「いつかこの景色をどこかで見た覚えがある」という感覚となります。

 

 

確率論的に予知夢を解説した興味深い本があります。

 

超常現象をなぜ信じるのか

 

 

「知っている人の夢を見たその日に、

その人が偶然亡くなるという予知夢の可能性について」の考察が

理論的に説明されています。

 

①夢に出る可能性のある知人は約100人

②その人を今後50年に一度だけ夢に見る

③50年後には知人の半数は亡くなっている

と仮定します。

 

1,今晩知り合いの中で特定の人の夢を見る確率は、

仮定②より 1/(365 x 50) = 1/18250

 

2, 今晩その人が亡くなる確率は、

仮定③より 1/(365 x 50) x 1/2 = 1/36500

 

3, 今晩、ある人の夢を見てその人が亡くなる確率は

1,2より 1/18250 x 1/36500 = 1/6661250

 

4, その日に知人の誰かが亡くなり、その人を夢に見ていた確率は

3と仮定①を合わせて

1/6661250 x 100= 1/6661250

 

日本のどこかでこのような予知夢の報告が出来る人口を8000万人とすると

予知夢が起こる確率は

1/6661250 x 8000万 = 12.01人

 

さらに一年間で日本のどこかで誰かが予知夢を報告する確率は

12.01 x 365(日)= 4386人

 

こうした予知夢は一年で4000人以上の人が体験している事になります。

 

 

これまで不思議な現象としてとらえられていた予知夢ですが

確率論的に起こりうる事柄であるというのも大変面白いですね。

 

 

これからも不思議な現象や脳のしくみなどについて

いろいろと情報を集めていこうと思います。