【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

めまい学会に参加しました

今日は晴れて気持ちのいい一日になりましたね。

 

 

今週は山口県で開催された

めまい平衡医学会に参加して来ました。

 

 

 

 

学会ではめまいに関する多くの発表を聞いて来ましたが

めまいメニエール病センターの高橋正紘先生の発表

メニエール病の病態と治療について

明確な理論を提示していてわかりやすい内容でした。

 

 

 

 

忙しく睡眠不足の状態が続くとストレス過多により

内耳の恒常性が傷害されて内リンパ水腫が起こります。

 

 

めまいメニエール病センターHPより)

 

治療には有酸素運動が有効で

生活環境を改善しストレス対策と、

頑張りすぎないように手抜きを勧めることが

ポイントというお話でした。

 

 

講演終了後に高橋先生と直接お話しさせていただき

治療上の疑問点を質問し、明瞭な返答で感心しました。

 

 

 

昼に行われたランチョンセミナーは

お弁当を食べながら勉強するセミナーです。

 

 

みなと赤十字病院の新井基洋先生の講演で

「めまい・平衡障害治療における漢方薬の可能性〜フレイルを中心に〜」

 

昨年に引き続きめまいのリハビリテーションと

漢方薬の効果について発表されていました。

 

 

 

 

聴衆を魅了するプレゼンテーションは健在で

普段の講演では笑うことはありませんが

先生の明るいお話には思わず笑ってしまいました。

 

先生のお父様が漢方の内服で体調が戻った写真などもあり

非常に興味深い内容で、あっという間に時間が過ぎました。

とてもわかりやすい講義で良かったです。

 

 

 

 

特別講演は日本美術院院友で日本画家である

馬場 良治先生の

「1000年昔の色相の感性 平等院鳳凰堂から」

 

 

 

馬場先生は日本画家で、文化財の調査や復元の専門家です。

平等院鳳凰堂

は世界遺産にもなっています。

 

 

1052年 藤原頼通 が、父の藤原道長より譲り受けた別業を

仏寺に改め平等院とされました。

翌年1053年に阿弥陀堂(鳳凰堂)が落慶し

堂内に阿弥陀如来坐像が安置されました。

 

 

 

扉絵の九品来迎図は損傷がひどく、

絵画の修復には自然界のどの素材を用いるか

試行錯誤の末に、魚の浮き袋を使う方法を考え出されました。

 

薄い和紙を扉絵にあてがい、ハケで溶液を塗って剥がす作業で

分子の細かい溶液が扉のヒノキまで浸透し

剥落を防ぎ変色も起きませんでした。

 

修復前の状態

 

 

修復後

 

見事に再生されています。

 

 

 

根気よく作業を行い、絵画本来の姿を取り戻して

現代の我々にも1000年前の様子がわかり、

とても貴重な仕事です。

 

 

 

あきらめずに努力を続けて取り組むことの大切さを学びました。

 

 

 

平等院ミュージアムには国宝や重要文化財が展示されています。

機会があれば馬場先生の復元した作品を見に

ぜひ一度訪問してみたいと思います。

 

 

 

 

この時期はライトアップもされていて、

幻想的な夜景が見られるようです。

 

 

 

いろいろな知識を吸収できて、大変有意義な学会でした。

 

今回勉強して得た新しい知識を、

これからの外来に生かしていきたいと思います。