今日は晴れてスッキリした1日になりましたね。
17日水曜日は世田谷区耳鼻咽喉科医会でした。
世田谷区内の開業医が集まる勉強会で、
今回はアレルギー性鼻炎の疫学や治療法、鼻の手術治療の最新情報など、
参考になるお話を聞くことができました。
中でもスギのアレルギーを改善するスギ花粉米の話は興味深かったです。
スギの成分を含んだ米を毎日食べることにより、
アレルギー症状を緩和する方法ですが、舌下免疫療法よりも
体内に取り込む抗原の種類が少なく副作用も軽度の治療法です。
スギ花粉米には、スギ花粉症緩和米とスギ花粉症治療米があります。
花粉の表面にあるエピトープ(抗原決定基)を遺伝子組み換え技術により
米の中に作ります。
体内の抗体がエピトープを認識して、免疫反応が起こる結果
アレルギー反応を抑える働きが起こります。
この米を連日食べて減感作療法を行った結果、
1年間の治療では花粉症症状の改善は認められませんでしたが、
治療2年目の結果では薬物スコアの改善が見られました。
2年間治療米を食べた人(図の青い線)は、
そうでない人(緑色の線)に比べて治療に必要な薬が少なく済んで
スギの飛散量(赤い線)が多い時にでも効果が続いたというデータは、
今後の参考になります。
近年アレルギー性鼻炎になる小児の数がかなり増えていますが
3月生まれに花粉症が多いというデータもあり、
皮膚からの直接感作が原因と推察されます。
開業医の先生方も、近年花粉症が低年齢化していること、
今年は重症例が多くて治療が大変だったという感想でした。
いろいろな知見を得ることができて大変有意義な会でした。