今日は午前中気温が下がり少し寒く、午後は晴れて暖かい1日となりました。
最近は年度末の仕事や引越などで多忙の方が多く、
そのため睡眠不足やストレスが原因で
低音障害型急性感音性難聴で受診される方が増えてきています。
低気圧や台風の時には蝸牛に圧力変動が起こり
内部のリンパ液の量が増える可能性があります。
睡眠不足やストレス過多でも同様の状態が起こりやすく、
蝸牛の中のリンパ液が増えている病態を内リンパ水腫といいます。
内リンパ水腫の状態では、聴力の伝導路内部の水分が通常より多いため
鼓膜から伝わる音の振動波が、低音部を知覚する部位である
蝸牛の頂点部位に届かず、低い音を聞く能力が低下します。
これは蝸牛の断面図ですが、一番上の頂上部分で低音部を聞き取っています。
低音障害型急性感音性難聴は難聴、耳鳴を繰り返すことが特徴で
突発性難聴は聴力が変動することはありません。
また低音部の難聴と耳鳴、めまいが同時に起こる
メニエール病と同じ病態と考えられています。
メニエール病、低音障害型急性感音性難聴ともに
過度のストレスや睡眠不足で誘発されることが多く
生真面目で嘘がつけない、仕事を頼まれてもイヤと言えないような方に
起こりやすい傾向があります。
治療の上では生活習慣の改善、特に睡眠時間を確保しストレスの対応や
根を詰めすぎないようにしてリラックスする時間を増やし
仕事を分担したり減らしたりすることが重要です。
特に日常生活では有酸素運動が有効で、
コーヒーを多く飲む方は量を減らしたり、タバコ、アルコールも避け
規則正しい生活をする必要があります。
低音障害型急性感音性難聴を何度も繰り返してメニエール病に移行すると、
激しいめまい発作を起こす可能性もあり
難聴とともにめまいの症状にも十分注意することが大切です。
低音障害型急性感音性難聴に有効な漢方薬もありますので、
少しでも難聴、耳の閉塞感、耳鳴、めまいなどの症状がある場合、
早めに当院に受診して下さい。