今日は曇りでスッキリしない天気でしたね。
昨日の日曜日は、
大手町で開催された漢方セミナーに参加しました。
漢方メンタルセミナー
心療内科医の漢方の使い方
講師はこころとからだの杉本クリニック
杉本 貴美子先生。
明るくハキハキした関西の女性医師です。
心の不調が身体の異常として表れる病気が数多くあります。
最近は子供の自閉症
成人女性の摂食障害、高齢者の認知症や
うつ病もかなり増えてきています。
このような心の病気では
漢方医学的に気(き) 血(けつ) 水(すい)
の異常を伴うことが多く
それらのアンバラスが発症の引き金となります。
気の異常は心の異常、
血の異常は微小循環障害、水の異常は浮腫や体液の
機能異常を示しています。
心の病気の代表的なうつ病の症状としては
抑うつ気分や気力の減退、思考停止などがあります。
このような状態で疲れを取りやすくする漢方には
補中益気湯があります。
勤務医の時に当直明けでヘトヘトの際に
補中益気湯を飲んでみると
確かに疲れが取れて仕事の効率も良くなりました。
構成成分の中に心を落ち着ける柴胡剤が入っているため
心配事が多い方にも効果があります。
補中益気湯は虚証の方に処方されますが
体力が充実した実証の方には別の漢方薬が合っています。
また不眠やイライラに効果がある
抑肝散(よくかんさん)
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
などの使い分けについても
わかりやすく解説していただきました。
お母さんが怒りっぽいと子供の心も落ち着かないため
母と子供同時に内服する治療が効果的との説明で、
なるほどと思いました。
また心的外傷、PTSDに処方する漢方治療も
大変参考になりました。
耳鼻科では使うことがない薬についても
詳しく解説があり、精神的なストレスを抱えている
めまいや耳鳴の患者さんに
漢方薬を処方していきたいと思います。
先生の診療スタンスとして
患者さんの声の大きさ、顔の表情にも注意を向けて
心の異常を見逃さないようにしているとのことで
自分も気をつけて行きたいと思いました。
精神科の先生の貴重なお話しを聞くことができて
大変充実したセミナーでした。
これからも勉強会に積極的に参加して行きたいと思います。