花粉症のメカニズムについて解説します。
① 花粉を鼻から吸入すると、
マクロファージという貪食細胞がその情報をキャッチします。
② その情報が胸腺由来のヘルパーT細胞を介して、
Bリンパ球というIgE抗体を産生する細胞に伝わります。
③ IgE抗体が産生されると、
血液や粘膜中に存在する肥満細胞や好塩基球に到達し、
スギ花粉抗原とIgE抗体が結合したことで
肥満細胞が脱顆粒した結果、
様々な化学伝達物質(ケミカルメディエーター)
が遊離します。
これらの物質が
花粉症のさまざまな症状を引き起こします。
花粉症の症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりです。
異物が入るとくしゃみで鼻から追い出そうとします。
鼻水で異物を洗い流し、
さらにこれ以上鼻に異物が入らないように
鼻を詰まらせることで、
鼻からの花粉の進入をブロックします。
人の身体は本当に良く出来ているんですね。
スギ花粉症に対する治療法に、舌下免疫療法があります。
スギ花粉を薄めたエキスを体内に取り込むことで
身体をスギ花粉に慣らして
花粉症の症状を抑える治療法です。
スギのエキス製剤(シダキュア)を
2~3年間毎日舌の裏側に投与します。
シダキュアは最初の一週間は低用量の錠剤を内服し
二週目以降は増量したものを継続して服用します。
治療はスギ花粉が飛んでいない時期に開始します。
花粉が飛んでいる時期にはスギ花粉に対する
免疫反応が亢進しているため
副作用が起きやすくなります。
副作用として、口内炎、口の中の腫れ
のどのかゆみ、耳のかゆみ、頭痛のほか
まれですが
アナフィラキシーショックを起こすことがあります。
6歳以上のお子様から使用できますが
高血圧 妊娠中や授乳中の方
65歳以上の方には使用できません。
連日内服する自信がない方にも
服用を補助するためのアプリもそろっています。
スギ花粉症でお困りの方は、お気軽に外来でお尋ね下さい。