【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

抗不安薬と睡眠薬

今日は晴れて

かなり暑い一日でしたね。

 

 

精神安定剤として処方されている

ベンゾジアゼピン系薬物は

長期の服用により

薬物依存が形成されます。

 

 

短期間型のデパスやリーゼが

多く使用されています。

 

 

薬物の内服中止によって

離脱症状が現れます。

 

 

 

シナプス伝達に影響を与える

モノアミントランスポーター

 

 

は、覚醒剤である

メタンフェタミン コカイン

メチルフェニデート

などの標的分子です。

 

 

NMDA(N-methyl-D-aspartate)型

グルタミン酸受容体

GABA(γ-aminobutyric acid)受容体

ニコチン性アセチルコリン受容体

アデノシン受容体などが

ベンゾジアゼピンの動態に関与します。

 

 

中脳の腹側被蓋野は

報酬行動にかかわる

中脳にある神経核です。

 

 

この神経機構は

日常生活上での意欲の向上や

動機付けとして重要です。

 

快楽中枢である側坐核に投射される

ドパミン作動性神経系の活性化と

薬物動態が関連していることが

知られています。

 

ベンゾジアゼピンは

γ-アミノ酪酸タイプA(GABAA)受容体の

特異的部位と結合し、

抑制性神経伝達物質である

GABAと受容体との親和性を高めます。

 

親和性が高まると

受容体のClチャネルの開口頻度が増加し、

中枢神経系における

GABAの阻害効果が増強されます。

 

薬物によってドパミン作動性

神経系が活性化すると、

側坐核でのドパミン量が増加し、

快感や高揚感がもたらされますが

ドパミンは反復行動の強化と動機づけに

重要な役割を果たすと考えられています。

 

 

 

 

ドパミンシグナルの

異常興奮を受けた場合、

フィードバック反応として

ドパミン受容体の

ダウンレギュレーションを介して

神経細胞に対して保護的に働きます。

 

ドパミン受容体数の減少した神経細胞は

見かけ上ドパミンシグナルが

不足した状態となり、

これは薬物に対する

渇望に関連する状態と考えられ、

これにより精神依存が形成されると考えられます。

 

ベンゾジアゼピンは半減期が短いほど

より依存リスクが高いと考えられます。

 

 

 

デパスの特徴として

①作用時間が短い

②抗不安作用が強い

③筋弛緩作用がある

④催眠作用が強い

 

副作用として

眠気やふらつきがあり

高齢者ではせん妄が起こることがあるため

注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

睡眠薬にも長期連用による

依存作用が知られています。

 

 

 

 

 

睡眠障害で推奨される薬剤は,

トラゾドン(25~150mg/日),

doxepin(10~150mg/日),

ミルタザピン(7.5~30mg/日),

トリミプラミン(10~150mg/日)があり,

就寝1~3時間前に投与します。

 

これらの薬剤は

主に抗ヒスタミン作用や

抗コリン作用を持ち、

乱用の可能性は低いと考えられます。

 

 

めまいや耳鳴に対して

当院でも不安が強い方に

抗不安薬を処方する事がありますが

薬物依存にならないよう

注意しながら処方しています。