今日は小雨が降り続く一日でしたね。
3月に85歳の女性の方が、補聴器作成のため受診されました。
何度か外来で診察していて、時々鼻血が出て鼻がつまると言うことで
念のためファイバーで鼻の中を診察するとかなり大きな腫瘍があり、
奥が見えないほどの大きさでした。
すぐにMRIを実施すると、上咽頭全体に腫瘍が充満していました。
正常はこちらのように中央部分には空気があって、MRI上は黒くなります。
鼻の突き当たり部分には上咽頭と呼ばれるリンパ組織がある空間があります。
患者さんのMRI画像では、上咽頭をふさぐほどの大きな腫瘍が確認できます。
画面中央の灰色の部分が上咽頭に出来た腫瘍です。
すぐに国立東京医療センターに紹介してその後入院となり、
組織検査で悪性リンパ腫と診断が確定し、化学療法を4回実施しました。
腫瘍は抗がん剤に良く反応するタイプで
短期間で劇的に縮小し、現在はほとんど消失したとのことで
今日久しぶりに受診されて、とても嬉しそうに報告して下さいました。
患者さんが短期間にお元気になられて安心しました。
たまたま難聴で受診されましたが鼻腔腫瘍が判明し、
病診連携ですぐに治療をしていただけた事も良かったです。
これからも病院の先生方との連携を深めていきたいと思います。