【小林耳鼻咽喉科医院】 世田谷の耳鼻咽喉科 めまい 耳鳴り アレルギー性鼻炎 耳鼻科

薬剤アレルギーを起こしやすい薬とは

ようやく暖かくなり

春の訪れを感じます。

 

 

 

抗菌薬には入院に至る重篤な

皮膚有害反応

Cutaneous Adverse Drug Reaction

(cADR)のリスクが高い薬剤があり、

スルホンアミド系とセファロスポリン系で

最も高いことが、

カナダ・トロント大学の

Erika Y. Lee氏らによる研究で示されました。

 

 

対象は

2002年4月1日~2022年3月31日に

経口抗菌薬を処方された

66歳以上の患者で、

処方後60日以内に重篤なcADRのため

救急外来を受診した患者を症例群、

これらのイベントがなく各症例と

年齢と性別をマッチさせた患者

(症例1例当たり最大4例)を対照群としました。

 

症例群2万1,758例、

対照群8万7,025例を特定しました

(年齢中央値75歳、女性64.1%)。

 

スルホンアミド系抗菌薬が重篤なcADRと

最も強く関連しており、

マクロライド系抗菌薬に対する

補正後オッズ比(aOR)は

2.9(95%信頼区間[CI]:2.7~3.1)でした。

 

次いで、セファロスポリン系(2.6、2.5~2.8)、

その他の抗菌薬(2.3、2.2~2.5)、

ニトロフラントイン系(2.2、2.1~2.4)、

ペニシリン系(1.4、1.3~1.5)、

フルオロキノロン系(1.3、1.2~1.4)の順でした。

 

重篤なcADRの粗発現頻度が最も高かったのは

セファロスポリン系

(処方1,000件当たり4.92、95%CI:4.86~4.99)で、

次いでスルホンアミド系(3.22、3.15~3.28)です。

 

症例群2万1,758例のうち

重篤なcADRで入院した患者は2,852例で、

入院期間中央値は6日(四分位範囲[IQR]:3~13)、

集中治療室への入室を要した患者は273例(9.6%)で、

150例(5.3%)が病院で死亡しました。

 

 

抗菌薬のクラス間で

リスクを比較した研究はこれまでなく

クラリスロマイシンは

副作用も少なく、副鼻腔炎に対して

長期間投与できるメリットがあります。

 

 

鼻のせつに対してクラリスロマイシンが

効果が無いので☆一つという

投稿をされる方がいましたが

安全性を考えて処方しているため

ご了承いただければと思います。

 

これからも薬の副作用のリスクを

極力避けて処方するよう

考えながら診療したいと思います。