毎月様々な勉強会に出席していますが
今月も漢方の勉強会に二つ参加して来ました。
まずは9日に開催された漢方セミナー
フレイルと人参養栄湯
講師は鹿児島大学大学院
心身内科学分野教授
乾 明夫先生で
日本老年医学会でも講演していらっしゃる
とても温厚な先生でした。
フレイルとは、高齢になると
生理的予備能力が低下し
ストレスに対する力が落ちてしまうことで
生活機能が障害されて
要介護状態、生命維持が困難に
陥りやすい状態のことです。
フレイルの病態と近い漢方薬の概念に
腎虚があります。
腎とは臓器の腎臓を指すのではなく、
水分代謝や成長、発育、生殖などの
生命維持に関与する
機能単位と考えられています。
腎虚によって起こる症状として
皮膚の乾燥やかゆみ、難聴・耳鳴、脱毛、健忘症
腰痛、骨粗鬆症、排尿障害や失禁
下肢の冷え、睡眠障害などがあります。
高齢者に対しては
腎虚を補う処方
補腎剤の牛車腎気丸、八味地黄丸や
補気剤の補中益気湯、人参養栄湯、十全大補湯など
多くの種類の薬が処方されます。
講演会では乾先生の
漢方薬の使い分けについてのわかりやすい説明で
これまでの処方知識がさらに増えて
大変有意義な会でした。
先週木曜日は新宿での
漢方フォローアップセミナーでした。
講師は青山稲木クリニック
稲木 一元先生です。
この講演会も稲木先生の解説が
大変わかりやすく、めまいの病態
冷えの解決法や、高齢者に対する
漢方薬の使い分けなどについての理解が
さらに深まりました。
これからも勉強会に積極的に参加して
外来診療をより良いものに
していきたいと思います。