今日は晴れてスッキリした1日になりましたね。
25 日土曜日は
東京都耳鼻咽喉科医会に参加しました。
場所は京王プラザホテルです。
東京女子医科大学 眼科学教室
教授 高村 悦子先生
「実戦!抗アレルギー点眼薬を使いこなす!
〜耳鼻科医に役立つ診断の基本から臨床の実践
セルフケアまで〜」
アレルギー性結膜炎の治療についての
詳しい解説がありました。
目の表面は涙液と
上皮のバリアで保護されています。
花粉症はこのバリアが傷害されると悪化しやすく
高度の結膜炎の場合には
ステロイド点眼液を使用します。
抗アレルギー点眼薬は、
I型アレルギー反応を抑えます。
マスト細胞のなかにある
ケミカルメディエーターが、
結膜にばらまかれるのを防ぐ
ケミカルメディエーター遊離抑制薬や、
ヒスタミンが結膜の神経や血管に結合するのを抑え、
目のかゆみや充血をおこさないようにする、
ヒスタミンH1受容体拮抗薬があります。
ステロイド点眼液は
副作用として眼圧が高くなる場合があり
2週間以上点眼薬を継続する場合は
定期的に通院し、
必ず眼圧をチェックしてもらいましょう。
万が一眼圧が上がっても、
点眼の回数を減らしたり中止すれば
眼圧は正常に戻ります。
また市販薬では防腐剤の入っていない
人工涙液が効果的です。
目の表面に飛び込んだアレルゲンを
洗い流すのにとても便利です。
5cc以上の点眼薬は使っているうちに、
容器のなかが雑菌で汚染される心配があるので、
普通は低濃度の防腐剤が入っています。
ところが洗眼などの目的で
何度もつけたい場合には、
この防腐剤がかえって
目の表面の細胞を痛めてしまう事があります。
防腐剤の入っていない人工涙液は、
使い捨てタイプのものが数種類あります。
1本でも5、6滴は出るので、
目を洗い流すように使用します。
眼科の治療上での注意点がわかり
大変参考になりました。
次の講演は
国立精神・神経医療研究センター
薬物依存研究部 松本 俊彦先生
「向精神薬の乱用・依存を防ぐために
臨床医にできること」
向精神薬は睡眠薬や抗不安薬として
精神科以外の科でも数多く処方されています。
その中でも特にエチゾラム(デパス)
による依存症が知られています。
非合法薬物よりはるかに多く処方されているため
依存症となっている患者さんが増加しています。
またゾルピデム(マイスリー)
も安易に処方されやすく
入院がきっかけとなり内服が開始され
退院後も依存症となるケースも多く見られます。
カフェインの相互作用についても
危険性を認識する必要があります。
安易にデパスやマイスリーを処方する事は
依存症の患者さんを増やすリスクが高く
今後も注意が必要であると再認識しました。
講演会終了後に
松本先生とお話しさせていただき
自殺とベンゾジアゼピン系との関連、
覚醒剤中毒の患者さんの治療方法や
清原和博さんの実際の様子
薬物依存の治療上での苦労話
などを伺えて、大変勉強になりました。
これからも引き続き
積極的に勉強会に参加したいと思います。