昨日は勉強会に参加して来ました。
世田谷区・目黒区耳鼻咽喉科医会の学術講演会です。
はじめに
「耳鼻咽喉科診療と補聴器」
杉内医院 杉内 智子先生の講演がありました。
補聴器の調整と問題点についてのお話しがあり、
認定業者と連絡をしっかり取る事で
補聴器の微調整が出来るようになり
患者さんとの意思疎通にも有効とのことでした。
認知症の患者さんにはまだ補聴器の操作は難しいようです。
また補聴器が合わないという患者さんにも
耳穴にしっかりはまっていなかったり
電池切れや電池の裏表の入れ間違いなど
細かく原因を探ると解決法が見つかるというお話しでした。
二つ目の演題は
「副鼻腔炎病態の多様性に応じた適切な治療を考える」
東邦大学大橋病院 耳鼻咽喉科教授 吉川 衛先生
好酸球性副鼻腔炎は、鼻の中に多数の鼻茸が出来て
手術をしても再発しやすい難治性の副鼻腔炎です。
難病にも指定されている病気ですが、
海外と日本では好酸球性副鼻腔炎の定義に差があり
日本での病気の定義が海外よりも厳しくなっています。
正常人の鼻腔
好酸球性副鼻腔炎で鼻茸が充満している鼻腔
また鼻茸がない好酸球性副鼻腔炎でも
治療が長期間にわたって難治化する事があり
若い女性 低年齢 アスピリン喘息の合併例では
副鼻腔炎手術後の再発率が高くなるリスクがあるとの事です。
その他には
遺伝子解析による副鼻腔治療についての解説があり、
将来的には副鼻腔炎に関連している
遺伝子のタイプ別にわけた治療が行われていくという
展望を聞くことが出来て
新しい時代に入ってきたことを実感しました。
講演終了後には懇親会で直接吉川先生とお話しして
当院から紹介した患者さんの経過や治療についての
お礼を伝えられて良かったです。
いろいろな知識を吸収できて大変有意義な会でした。
これからも積極的に新しい情報を集めていこうと思います。