今日は穏やかな一日になりましたね。
連休でお出かけの方も多いかと思います。
先月から引き続いて今月は
A型インフルエンザの方が数多く来院しています。
お子様から感染して家族全員が
次々にかかってしまうこともあり
予防接種をしていても感染する可能性があります。
インフルエンザウイルスの表面には
ヘマグルチニン(HA)と
ノイラミニダーゼ(NA)という分子があります。
HAが16種類、NAが9種類報告されていて
その組み合わせにより
多くの種類に分類されています。
診断では迅速検査キットを使いますが、
明らかな陽性反応が出るのは
発症から24時間が過ぎてからのことが多く、
検査で陰性と出ても
臨床症状からインフルエンザと診断して
抗ウイルス薬による治療を開始する場合もあります。
子供の感染では異常行動を起こすこともあります。
・ 突然立ち上がって部屋から出ようとする
・ 興奮状態となり窓を開けてベランダに出ようとする
・ 自宅から出て外を歩いていて話しかけても反応がない
・ 人に襲われる感覚があり外に飛び出す
・ 変なことを言い出し泣きながら部屋の中を動き回る
・ 突然笑い出し階段を駆け上がろうとする
等の行動があります。
インフルエンザ感染後に
高層マンションから転落する事故も報道されています。
タミフルの内服時などには
経過中に十分な注意が必要です。
また昨年発売されたゾフルーザは
耐性ウイルスの出現が問題となっています。
昨年はA(H1N1)とA(H3N2)の
2種類のA型インフルエンザが流行しました。
そのうち発売後1年の
ゾフルーザ(バロキサビル)の耐性ウイルスが
A(H1N1)には1.7%、
A(H3N2)には9.5%に認められました。
タミフル(オセルタミビル)と
点滴薬であるラピアクタ(ペラミビル)で
A(H1N1)は1%の耐性の出現率でした。
ゾフルーザのほうが
短期間に高頻度の耐性化が出現した事となります。
12歳未満の小児に対しては
12歳以上に対する投与よりも
耐性ウイルスの出現が多いとの報告もあります。
日本感染症学会からは、
「12歳未満にはゾフルーザの投与を推奨しない」
との提言がなされています。
以上のことから抗インフルエンザ薬は
当院では未就学児でタミフルを
12歳以上でイナビルを推奨しています。
喉の痛み、咳や関節痛などインフルエンザの症状がある場合
早めにご相談下さい。