台風の影響で全国的に不安定な天気になりましたね。
めまい、難聴を来す病気で外リンパ瘻という疾患があります。
三半規管の障害でめまいが、蝸牛の障害で難聴が起こります。
外リンパ瘻とは、
内耳にある正円窓と卵円窓に何らかの原因で穴が開き、
外リンパ液という液体が中耳に漏れる病態です。
正円窓、卵円窓に穴があく原因として、
外傷(耳かきなど)、中耳手術、真珠腫性中耳炎、上半規管裂隙や
外圧(ダイビング、飛行機搭乗、強大音の聴取時)
内圧(鼻かみ、くしゃみ、重い物を持った時)
が誘因となります。
原因不明の場合も多く見られます。
症状はめまい 難聴 耳閉塞感、耳鳴、嘔気などです。
診断は、試験的鼓室開放術で瘻孔を確認するほか、
外リンパ漏出の生化学的診断マーカーである
cochlin-tomoprotein (CTP)が検出されれば確定診断となります。
治療は保存的治療と手術治療があります。
保存的治療はベッド上での安静で、瘻孔の自然治癒を待ちます。
頭蓋内圧の影響を抑えるため患側を上にして休んでもらいます。
安静期間中は鼻をかむことや、強い咳をすること、
トイレなどで力むことなどはしないように注意します。
内耳窓閉鎖術は、外リンパの漏出部を軟骨膜や側頭筋筋膜で被覆し、
瘻孔閉鎖を行う手術です。
外リンパの漏れは1か所だけとは限らないので、
前庭窓・蝸牛窓ともに瘻孔閉鎖のための
組織充填を行ったほうが治療成績がいいとされています。
原因不明のめまい、難聴の方で長期間お困りの場合には
外リンパ瘻の可能性がありますので、ぜひ一度当院にご相談下さい。