今日は雨が降り、
かなり寒い一日になりましたね。
最近は花粉症の患者さんも
徐々に増えてきています。
16日土曜日は順天堂大学病院の
病診連携会に参加しました。
会場は東京ドームホテルです。
最初の講演は、港区南赤坂クリニック
安岡 博之先生
「港区合同災害医療訓練について
〜区内12病院と港区医師会との連携〜」
内閣府は、
首都直下型地震の際の被害として
全壊・消失家屋61万棟 死者23000人
要救助者72000人
帰宅困難者800万人と予測しています。
震災の際には一度に
大量の負傷者が病院に搬送されますが、
停電や火災、交通機関の混乱など
同時に発生するため
医療現場でも相当な混乱が予想されます。
こうした際に救急現場で取られる処置は
患者さんの重症度を判定して、
効率的な診療を進める必要があります。
普段は大震災は起こらないと
根拠のない思い込みがあるため
いざという時に慌てないよう、
港区の病院が連携して
震災訓練を行った報告です。
大規模な合同訓練は全国でも例がなく
メディアにも注目されました。
訓練では全てが円滑に回ったわけではなく、
連絡方法や患者さんの運搬など
問題点も浮かび上がって、
今後の対応に活かせたとのことで
災害に対する十分な準備が
必要であることを再認識しました。
続いて順天堂大学医学部付属順天堂医院
救急科 橋口 尚幸先生
「順天堂医院 院内救急車の導入と活用について」
東京消防庁とは別に
病院所有の救急車を導入して
患者さんをクリニックから搬送する
というシステムです。
緊急手術など急を要する病気ではなく
時間的余裕がある方で
その日のうちに受診が必要とされる方が
対象となります。
救急車に医師と看護師が同乗するので
患者さんにとっても
大変ありがたいシステムです。
最後の講演は
順天堂大学医学部付属順天堂医院
整形外科・スポーツ診療科
野尻 英俊先生の
「脊椎脊髄センターの設立
全脊椎脊髄疾患に対応します
〜診断と治療を含めて〜」
脊椎は背骨の硬い部分で、
24個の骨からできています。
脊髄は脊椎の中にある神経です。
脊髄の障害により
手足の麻痺や筋力の低下
しびれや歩行障害を来します。
高齢になると背中が曲がる
変形性脊椎症の方が増えますが、
装具による治療が有効です。
手術をしなくとも
これだけの効果があるのは驚きです。
椎間板は椎体と椎体をつなげる器官です。
外側にある線維輪と
内部にある髄核から出来ています。
髄核は水分を含む弾力性の組織で、
衝撃を吸収するクッションの
役割を果たしています。
椎間板ヘルニアは、
椎体から髄核が飛び出した病気で
第四腰椎と第五腰椎の間、
第五腰椎と仙骨の間の2カ所が
最もヘルニアが起こりやすくなっています。
椎間板ヘルニアに対して、
以前は大きく切開する方法が行われていました。
最近では内視鏡を用いた
手術が行われるようになりました。
側方経路腰椎椎体間固定術
(Lateral Lumber Interbody Fusion ; LIF)
神経を直接触らずに
圧迫を解除する方法で、
椎間板ヘルニアのほか、
腰部脊柱管狭窄症や
腰椎変性すべり症などに行われます。
経皮的内視鏡下椎間板摘出術
(Percutaneous Endscopic Discectomy ; PED)
術前MRI
術後MRI
いずれも術後の身体の負担が
少ないため入院期間も短く、
ご高齢の患者さんにも適している方法です。
脊椎脊髄センターとして
数多くの手術をしている
充実した診療体制であることがわかりました。
他にも整形外科領域の
いろいろな疾患のお話があり
大変勉強になりました。
講演後には情報交換会があり、
スポーツ庁の鈴木大地長官が
来賓としていらしていました。
院長の天野篤先生は
天皇陛下の執刀医ですが、
定年でお辞めになるとのことで、
非常に残念です。
今回耳鼻科以外の科の
多くの情報を聞いて、
大変刺激を受けました。
これからも積極的に
勉強会に参加したいと思います。