秋になりおだやかな日が続きます。
9月に読んだ本をご紹介します。
自己啓発の源流 「アドラー」の教え
青年と哲学者の会話を通して
生きる上でストレスをいかに
解決していくか、そのヒントが綴られています。
人間の悩みは全て対人関係の悩みである。
との言葉には衝撃を受けました。
「人生は他者との競争ではない。
同じ平らな地平に、前を進んでいる人もいれば、
その後ろを進んでいる人もいる。
誰とも競争することなく、
ただ前を向いて歩いていればいい。」
まさにその通りです。
「あの人の期待を満たすために生きてはいけない。
我々は他者の期待を満たすために
生きているのではない。
他者の期待など満たす必要はない。
あらゆる対人関係のトラブルは、
他者の課題に土足で踏み込むこと、
あるいは自分の課題に土足で
踏み込まれることによって
引き起こされる。
あなたにできるのは
「自分の最善の道を選ぶこと」。
その選択について、
他者がどのような評価を下すのか、
これは他者の課題であって、
あなたにはどうにもできない話である。」
自分に起きる問題を考えるときに
それは自分自身に関することか
他者に依存する問題なのかを
明確に分けて考える
「課題の分離」というスタイルは、
今後の生き方の参考になります。
「課題の分離」が出来ないままだと
自分の承認欲求にとらわれ
自己中心の考え方になる。
そのため他の人からどう見られるのか
常に気にして過ごすことになる。
「人は他人から感謝されたとき
他の人に貢献出来たと実感し
自分に価値があると思ったときにのみ
勇気を持てる」
「人は、
「私は共同体にとって有益なのだ」
と思えた時に
自分の価値を実感できる。
「自己への執着(self interest)を
他者への関心(social interest)
に切り替え、共同体感覚を持てるように
①自己受容
②他者信頼
③他者貢献
が必要である」
①自己肯定と自己受容の違い
自己肯定とは出来もしないのに
「私は出来る」
「私は強い」など自分に暗示をかけることであり、
自己受容は
仮に出来ないとしたら
その「出来ない自分」をありのままに受け入れ、
出来るようになるべく
前に進んでいくことです。
②信用と信頼の違い
信用とは条件付きであり
英語のクレジットに当たります。
信頼とは
他人を信じるに当たり
一切の条件を付けないこと。
たとえば恋愛観において
相手が浮気をしているかもしれないと
絶えず疑念を持ちながら、
その証拠を捜そうとした場合、
ありとあらゆる浮気の証拠が見つかるでしょう。
なぜなら相手の何気ない行動
誰かと電話で話しているときの口調
連絡が取れない時間など
疑いの眼を持ってみれば
ありとあらゆることが
浮気をしている証拠に映ります。
裏切られたときのことばかり考え
そこで受ける傷の痛みばかりを気にしている。
信頼することを恐れていては
結局誰とも深い関係を築けないのです。
ありのままの自分を受け入れ
「自分に出来ること」
「自分に出来ないこと」
を見極めることが出来れば
裏切りが他者の課題であることが
理解できるし、
自分にはどうすることも出来ないことが
わかります。
われわれは他者を仲間と見なすことを
めざしましょう。
③仕事の本質は他者貢献
もし自分の周りに
無条件に信頼できる仲間がいれば
自分が属する共同体に居場所を見いだし
「ここにいてもいいんだ」
という所属感を得られます。
大富豪の多くは今なお忙しく働き続けています。
なぜでしょう?
それは他者貢献のためであり
巨万の富を得た後にも
慈善活動に尽力することで
自分の存在意義を実感し、
「ここにいてもいいんだ」
と確認するために
さまざまな活動を行っています。
行動面の目標
自立すること
社会と調和して暮らせること
心理面の目標
私には能力があるという意識
人々は私の仲間であるという意識
普通であることの勇気
人生とは今この瞬間を生きる
連続する刹那です。
過去にどんなことがあったなど
あなたの「今、ここ」には
何の関係もないし
未来がどうあるかなど
「今、ここ」
で考える問題ではありません。
今を全力で生きることは
自分が今できることを
真剣にかつ丁寧にやっていくことです。
アドラー心理学とは
他者を変えるという目的ではなく
自分が変わるための心理学です。
他者が変わるのを待つのではなく
あなたが最初の一歩を踏み出すのです。
自由とは他者から嫌われることである
「他者の評価を気にかけず
他者から嫌われることを恐れず
承認されないかもしれないコストを支払わない限り
自分の生き方を貫くことは出来ません。」
「幸せになるためには嫌われる勇気が必要です。
その勇気を持ち得たとき
あなたの対人関係は一気に軽いものへと
変わるでしょう。」
医師の仕事が他者貢献になり
自分の存在価値を実感できたので
今後のモチベーションも上がり
とても良かったと思います。
以前感銘を受けた
世界を愛で包み込み
全人類が幸せになれるよう
理想の世界を築こうという
とても素晴らしい世界が描かれていたので
改めてアミ三部作を読み直そうと思います。