最近は気候が変わりやすく、
低気圧の影響でめまいを起こしたり
耳鳴で来院される方が増えています。
メニエール病では内リンパ水腫により
難聴、めまいを繰り返す場合があります。
心配事やストレスなど
精神的な緊張状態が続いていると
内耳の循環血液量が減少し、
三半規管、蝸牛の働きが低下する原因となります。
自律訓練法は、1932年にドイツの精神科医
ヨハネス・ハインリヒ・シュルツにより提唱された
自分で出来るリラクゼーション方法です。
シュルツは催眠に誘導された人が
リラックスした状態の時に
共通して体験する感覚
(腕や足が重くなり、体の中が暖かく感じる)
が生じることを確認し
この状態を自己暗示により生じさせることで、
自分自身でリラックスする方法を考案しました。
自律訓練法は、6つのステップから構成されています。
はじめに楽な服装で
椅子に深めに腰掛けて体の力を抜きます。
両手は膝の上に置き、軽く目を閉じます。
気持ちを楽にして、軽く深呼吸を3回行います。
① 右手(利き手が左の人は左手)に意識を集中し
「右手が重い」と心の中で唱えて右手の重さを感じます。
その後は左手→右足→左足と同様に行い、
重さを意識出来るようにします。
② 次に「右手が温かい」と唱えて暖かさを感じます。
その後①と同様の順番で両手、
両足に暖かさを感じるようにします。
③ 心臓に意識を集中し、
「心臓がが静かに規則正しく動いている」
と感じます。
(心臓病のある方は実施しないで下さい)
④ 次に「楽に呼吸している」ことを意識します。
(喘息や過換気などの呼吸が気になる方は省略して下さい)
⑤ 「おなかがとても温かい」と感じます。
⑥ 「額が涼しい」と実感します。
最後に消去動作として
① 両手をグーパーして
② 大きく伸びをし
③ 首や手足を振る
この手順を行ってから終了します。
実感できなければ
しばらくは①と②を繰り返して下さい。
無理に温かさや重たさを感じるようにするのではなく、
ステップの言葉を暗唱しながら、
何となく意識を手や足に向けるといいようです。
慣れてくると①から⑥の手順を
5-10分ほどで出来るようになります。
効果が実感できるまでに
かなり時間がかかる方もいますので
少しずつでも効果が出るように、
リラックスして実施してみて下さい。
めまいや耳鳴がどうしても気になるという方は
ぜひ自律訓練法を試してみて下さい。