今日は朝は雨が降りましたが午後にはスッキリと晴れて、
天候の移り変わりが激しい1日でしたね。
大型連休中ですが乗り物酔いしやすい方は、バスや車での移動でかなりお困りなことと思います。
乗り物酔いは古代ギリシャやローマ時代から知られた疾患で
三半規管の機能が未発達である2~3歳までは見られませんが、
小学生くらいから頻度が高くなります。
乗り物に乗っている際には減速と加速が続いて周りの景色が絶えず変化し、
視覚と三半規管が刺激される際、目から入る周辺情報と、
三半規管が感じる空間内での自分の位置情報が脳の中で一致せずに混乱を来します。
例えば動く車の中で本を読んだり、
車の進行方向と逆の後ろ向きで景色を見るなどの状況では、
乗り物酔いが非常に起こりやすくなります。
三半規管からの位置情報と、視覚からの身体の情報が正しく脳に認識されないと、
自律神経の働きが影響され、身体の不調となります。
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、
交感神経は血管を収縮させ心拍を上げ、身体が興奮状態となります。
副交感神経は血管を広げて身体をリラックスさせる働きがありますが、
乗り物酔いではその両者のバランスの乱れにより
冷や汗、唾液分泌の増加、胃部不快感、頭痛、嘔気、嘔吐などの不快な症状が発現します。
対策として、車やバスであれば進行方向に向かって
次にカーブが来る場合には曲がる方向に体を傾けて準備すると
三半規管の情報と、身体の位置情報が脳の中で一致しやすく酔いにくい状態となります。
ジェットコースターでも行き先を見ながら、
あらかじめ曲がる方向に身体を傾けておけば酔わずに乗りこなせますので
ディズニーランドのビックサンダーマウンテンにも余裕を持って乗ることが出来ます。
治療薬はトラベルミン、スコポラミンが有効で、
海外のみとなりますがスコポラミンパッチも貼り薬で簡便に使用できます。
乗り物酔いになりやすい要因として、睡眠不足、ストレス過多、飲酒などがあります。
旅行の際にはこれらの点に注意して、酔い止め薬も用意して
乗り物酔いに対応出来るように準備していただければと思います。