今日は晴れて暖かくなりましたね。
ゴッホの自画像が贋作と思われていたところ
再鑑定で本物と認定されました。
ゴッホ(1853~1890)は
オランダ・スンデルト村に生まれた
ポスト印象派の代表的な画家です。
1886年3月にパリに赴き、
金銭的に困窮していたためにモデルを雇うお金がなく、
4つ年下の弟テオの部屋に転がり込みました。
この時期には27点もの自画像を制作しています。
パリでの生活に疲れたゴッホは
1888年から南仏アルルの黄色い家に拠点を移し
経済的に苦しかったゴーギャンを招き入れて
共同生活が始まりました。
黄色い家
当初は比較的うまく行っていた二人の関係は
やがて強烈な個性のぶつかり合いのために
お互いの作品を批判することも多くなりました。
夜のカフェテラス
その後精神的な緊張がさらに高まり、
自分の耳たぶをカミソリで切り失神しているところを
通報を受けた警察によって発見され
病院に収容されました。
精神的ストレスにより起こる病気として、
メニエール病があります。
耳鳴 難聴 めまいが同時に起こる病気です。
ゴッホは長年耳鳴りに苦しんでいたため、
あまりの苦痛で悪化した耳鳴りに耐え切れず
耳を切り落とした可能性もあります。
星月夜〜糸杉と村〜
この絵は晩年の1889年、
フランス サン・レミ・ド・プロヴァンスの
サン・ポール・ド・モゾル修道院の精神病院で療養中に
作成されました。
夜空に描かれた独特の渦巻きのような形。
メニエール病に特徴的な回転性めまいの際に
目に映る情景とも考えられます。
オーヴェルの教会
実際の教会
正常人は歩いている時に
視線を一定に保つように起こる
眼球を頭の動きと正反対に上下に動かす反射があります。
メニエール病ではこの反射が低下するため、
視界が揺れるジャンブリング現象
という特徴的な症状があり、
この絵は上下の眼球運動に制限があるのではと思われる
独特の揺らぎが見られます。
こうした点からゴッホはメニエール病だったのではという
仮説が生まれました。
カラスの飛び交う麦畑
養老院を退院後に描かれたこの絵は
精神的に不安定な状態での作品で、
カラスも不気味な空の色も陰鬱で、
暗い心理状態を表しているようです。
ゴッホの偉大さは死後になり認識されました。
メニエール病だったのかは今では謎ですが
有名人の病気のエピソードを、
今後も調べてみたいと思います。