今日は雨になり、気温が下がり
だいぶ秋らしくなりましたね。
昨日は日赤医療センターの
病診連携会に出席しました。
場所は渋谷の
セルリアンタワーホテルです。
最初の講演は
日赤医療センター耳鼻咽喉科
物部 寛子先生の
「当院における小児めまい症例について」
小児のめまいは良性発作性めまい症や
起立性低血圧が多く
小児良性発作性めまい症では
片頭痛との関連性が知られています。
これらの疾患は画像検査では
異常が見られないことが多く
確定診断には時間をかけた
問診が必要となります。
片頭痛を疑って問診を進めることが
重要であるというお話しでした。
特別講演は
「小児の片頭痛 ー診断のポイントと
ガイドラインに基づいた治療ー
東京医科大学 小児科 山中 岳先生
小児の片頭痛の診断時の留意点や
診断基準についての
詳しいお話を聞けました。
小児の片頭痛の特長は
頭痛の持続時間が短く、
半数以上は四時間以内
両側性であることが多い
吐き気やめまいを伴い
筋緊張型頭痛との鑑別が難しいこと
があげられます。
片頭痛の起きる病態として
突発的な血管収縮による内耳血流障害
気圧の変動や長時間のゲームなど
による眼精疲労や精神的なストレス
などの関係もあるということでした。
片頭痛と緊張型頭痛の鑑別として
片頭痛では冷やすと症状が改善し
筋緊張型頭痛では温めると楽になるという点は
非常にわかりやすかったです。
講演後に質疑応答の時間があり、
低気圧の際に片頭痛が起こる
メカニズムについて質問しましたが
「良く原因がわかっていない部分が多く、
気圧の変動で何らかの
髄液に対する影響があるのでは」
というご意見でした。
また成人の片頭痛に対する
呉茱萸湯(ごしゅゆとう)の
効果があることがわかっていますが
小児での処方はどうでしょうと伺うと
「呉茱萸湯はあまり投与経験はなく、
五苓散が効く場合も多い」
というお返事でした。
講演後に山中先生と名刺交換させていただき
とても有意義な会でした。
小児の片頭痛に関しても
最新の治療情報を勉強して
これからもより充実した
外来にしていきたいと思います。